「はあ、疲れた……まさか、ずっと子どもの面倒をみることになるとは……」
アーサー様とアメリアさんの披露宴が終わった後、私達は王家の方と両公爵家の方と共に応接室に移動した。
披露宴に飽きてしまった子どもがシルバの所に集まってきて、ニース様と一緒に遊んでいたのだ。
私はスラちゃんと共に子ども達の相手をずっとしていて、かなり体力を消費してしまった。
子どもの体力って、こんなにも凄いんだと改めて思い知った。
因みに、ノルディア公爵家の赤ちゃんは披露宴の途中からスヤスヤと眠っていた。
「いやはや、あの馬鹿がいないとこうもスムーズに披露宴が進むものなのか。何れにせよ、こうして無事に披露宴が終わって何よりだ」
陛下も応接室に移動して一休みしていたが、披露宴自体は本当に何事もなくスムーズに終わった。
元々披露宴で何かをしようとする貴族はいないし、退場となった四家だけが問題を起こす可能性があった。
それだけ、まともな貴族はこの結婚式の重要性を理解していたのだけど。
そして、陛下はある事を指示した。
「リンは礼儀作法も何も問題ないが、もう少し淑女の勉強をする必要がある。引き続き、ノルディア公爵家で勉強するように」
「「畏まりました」」
ルーカス様のお相手筆頭の位置にいる私に、貴族令嬢としての教育を続けるという。
アメリアさんやフレイア様みたくはなれないけど、それでもできる限りの努力はするつもりだ。
それなりに、負けん気ってものはあるつもりだった。
「あの馬鹿は、前から何をしようとするか分からない危険性があった。ルーカス、リン、少し休んだら四家の捜索に合流するように」
「「はい」」
「ウォン!」
何となく想像が出来ていたけど、私とルーカス様を問題を起こした貴族家の捜索に派遣する事で周囲の貴族にも私とルーカス様の関係を改めて知らしめるのだろう。
あと、個人的にはシルバとスラちゃんの力を当てにしていた。
という事で、私は三十分程休んでドレスから治療兵の服に着替えてルーカス様と共に順に四家の屋敷に向かった。
「ウォン!」
「うわあ、何ですかこれ……」
「犯罪組織とのやり取りを示す書類に、違法薬物の取引に関する書類。リンの事を犯罪組織の構成員に襲わせる内容もあるな」
四家の中で一番格の高い侯爵家の屋敷を一番最初に捜索したのだけど、応接室に行ったらまあ凄い量の押収品が見つかった。
シルバが怪しい臭いを見つけて色々なものを見つけたのだけど、何よりもスラちゃんが張り切って次々と証拠品を見つけていた。
どうやら、私があの四人に襲われた際に直ぐに気が付かなかったのが悔しいらしい。
スッ。
「これは、娘を嫁に出したい貴族を記したリストだな。見事に財力のある貴族家しか書いてないぞ」
ルーカス様がスラちゃんが見つけた書類を手にして頭が痛そうにしていたが、何故財力のある貴族家しか目当てにしていたかった理由は直ぐに分かるだろう。
財務関係の資料を見ると、屋敷は贅沢のし過ぎで火の車だった。
だからこそ、財務のある貴族に娘を嫁がせて人生一発逆転を狙っていたのだ。
そんなに上手くいくはずがないのに、そんな都合の良い妄想に取り憑かれていたみたいだった。
結果的に残りの三家もこの侯爵家と同じ状況で、犯罪組織とのやり取りを示す書類がたくさん出てきた上に財政は火の車だった。
「私物の宝石は全て没収されて、罰金相当額以外は借金返済に使われますね……」
「リンの言う通りだ。今日やった事に加えてこれだけの犯罪の証拠も掴んだ。罰金程度の罪で済むはずがないがな」
私だけでなく、ルーカス様もスラちゃんも罪状の多さに呆れ返っていた。
四家と繋がっていた犯罪組織の場所も判明し、ついでに奇襲攻撃を仕掛けて壊滅させた。
私は思いっきり暴れる事が出来たので、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすために犯罪組織壊滅に動いた。
シルバとスラちゃんもかなり生き生きと動いていて、ルーカス様がやり過ぎるなと釘を刺していたレベルだった。
こうして、ある意味長かった一日が終わり私はルーカス様と別れてノルディア公爵家に帰った。
「まあ、以前から怪しいと思われていたけどそんなに酷い状況だったのね。お家取り潰しか、爵位の降格は免れない状況ね」
「借金をしてでも贅沢をしたい貴族はいるけど、ちょっと規模が違うわね……」
夕食時にノルディア公爵夫人とフレイア様に捜査の状況を簡単に話したけど、ノルディア公爵家の人達が思わず閉口するレベルだったらしい。
それだけ、あの四家は異常だったということだった。
因みに、私が犯罪組織壊滅の為に大暴れしたのは特に何も言われなかった。
良いストレス発散って程度に思われたのかもしれなかった。
アーサー様とアメリアさんの披露宴が終わった後、私達は王家の方と両公爵家の方と共に応接室に移動した。
披露宴に飽きてしまった子どもがシルバの所に集まってきて、ニース様と一緒に遊んでいたのだ。
私はスラちゃんと共に子ども達の相手をずっとしていて、かなり体力を消費してしまった。
子どもの体力って、こんなにも凄いんだと改めて思い知った。
因みに、ノルディア公爵家の赤ちゃんは披露宴の途中からスヤスヤと眠っていた。
「いやはや、あの馬鹿がいないとこうもスムーズに披露宴が進むものなのか。何れにせよ、こうして無事に披露宴が終わって何よりだ」
陛下も応接室に移動して一休みしていたが、披露宴自体は本当に何事もなくスムーズに終わった。
元々披露宴で何かをしようとする貴族はいないし、退場となった四家だけが問題を起こす可能性があった。
それだけ、まともな貴族はこの結婚式の重要性を理解していたのだけど。
そして、陛下はある事を指示した。
「リンは礼儀作法も何も問題ないが、もう少し淑女の勉強をする必要がある。引き続き、ノルディア公爵家で勉強するように」
「「畏まりました」」
ルーカス様のお相手筆頭の位置にいる私に、貴族令嬢としての教育を続けるという。
アメリアさんやフレイア様みたくはなれないけど、それでもできる限りの努力はするつもりだ。
それなりに、負けん気ってものはあるつもりだった。
「あの馬鹿は、前から何をしようとするか分からない危険性があった。ルーカス、リン、少し休んだら四家の捜索に合流するように」
「「はい」」
「ウォン!」
何となく想像が出来ていたけど、私とルーカス様を問題を起こした貴族家の捜索に派遣する事で周囲の貴族にも私とルーカス様の関係を改めて知らしめるのだろう。
あと、個人的にはシルバとスラちゃんの力を当てにしていた。
という事で、私は三十分程休んでドレスから治療兵の服に着替えてルーカス様と共に順に四家の屋敷に向かった。
「ウォン!」
「うわあ、何ですかこれ……」
「犯罪組織とのやり取りを示す書類に、違法薬物の取引に関する書類。リンの事を犯罪組織の構成員に襲わせる内容もあるな」
四家の中で一番格の高い侯爵家の屋敷を一番最初に捜索したのだけど、応接室に行ったらまあ凄い量の押収品が見つかった。
シルバが怪しい臭いを見つけて色々なものを見つけたのだけど、何よりもスラちゃんが張り切って次々と証拠品を見つけていた。
どうやら、私があの四人に襲われた際に直ぐに気が付かなかったのが悔しいらしい。
スッ。
「これは、娘を嫁に出したい貴族を記したリストだな。見事に財力のある貴族家しか書いてないぞ」
ルーカス様がスラちゃんが見つけた書類を手にして頭が痛そうにしていたが、何故財力のある貴族家しか目当てにしていたかった理由は直ぐに分かるだろう。
財務関係の資料を見ると、屋敷は贅沢のし過ぎで火の車だった。
だからこそ、財務のある貴族に娘を嫁がせて人生一発逆転を狙っていたのだ。
そんなに上手くいくはずがないのに、そんな都合の良い妄想に取り憑かれていたみたいだった。
結果的に残りの三家もこの侯爵家と同じ状況で、犯罪組織とのやり取りを示す書類がたくさん出てきた上に財政は火の車だった。
「私物の宝石は全て没収されて、罰金相当額以外は借金返済に使われますね……」
「リンの言う通りだ。今日やった事に加えてこれだけの犯罪の証拠も掴んだ。罰金程度の罪で済むはずがないがな」
私だけでなく、ルーカス様もスラちゃんも罪状の多さに呆れ返っていた。
四家と繋がっていた犯罪組織の場所も判明し、ついでに奇襲攻撃を仕掛けて壊滅させた。
私は思いっきり暴れる事が出来たので、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすために犯罪組織壊滅に動いた。
シルバとスラちゃんもかなり生き生きと動いていて、ルーカス様がやり過ぎるなと釘を刺していたレベルだった。
こうして、ある意味長かった一日が終わり私はルーカス様と別れてノルディア公爵家に帰った。
「まあ、以前から怪しいと思われていたけどそんなに酷い状況だったのね。お家取り潰しか、爵位の降格は免れない状況ね」
「借金をしてでも贅沢をしたい貴族はいるけど、ちょっと規模が違うわね……」
夕食時にノルディア公爵夫人とフレイア様に捜査の状況を簡単に話したけど、ノルディア公爵家の人達が思わず閉口するレベルだったらしい。
それだけ、あの四家は異常だったということだった。
因みに、私が犯罪組織壊滅の為に大暴れしたのは特に何も言われなかった。
良いストレス発散って程度に思われたのかもしれなかった。


