「それでは、これより披露宴となります。王城まで、順次ご移動をお願いいたします」
シスターのアナウンスで、私達は大教会から移動する事になった。
どうやら、前世の様なブーケトスみたいなものはないという。
アメリアさんのブーケを、密かに欲しかったりした。
因みに、新郎新婦はお色直しとかもある為に、控室に移動して後ほど王城に来るという。
「では、移動しましょう」
「あう」
「ウォン!」
すると、王家と共にノルディア公爵夫人が立ち上がって私たちに声をかけた。
どうやら、大教会から移動するのも王家や上位貴族かららしい。
ノルディア公爵家の赤ちゃんと側にいたシルバが元気よく声をあげて、私も席から立ち上がった。
すると、例の四家の令嬢がノルディア公爵家と共に移動する私のことを見て、何であんたが一緒に移動しているのよと滅茶苦茶睨んできた。
更に、すれ違いざまに私の足目掛けて自分の足を出してきた。
どうやら、私を転ばせて恥をかかせようとしているらしい。
私の顔を見て、ニヤニヤしているのだからたちが悪い。
しかし、令嬢はとんでもない人を転ばせてしまったのです。
トテトテ。
シュッ、ドサッ。
「うあーん!」
「あっ……」
何と、令嬢は完全に足を出すタイミングを間違えて、よりによってシルバと共にご機嫌に歩いていたニース様を転ばせてしまったのです。
恐らく小さいニース様に気が付かなかったみたいだけど、私はニース様から二メートル以上後ろにいたのですが。
ニース様は豪快に転んでしまい、側にて抱き上げたルーカス様に抱きつきながら号泣していた。
私も直ぐにニース様の側に行って治療をしたけど、手のひらを打っていた。
よりによって王家の子どもを転ばせてしまったので、令嬢は凍りついた表情のまま固まっていた。
勿論、教会内もしーんと水を打ったかのように静まり返っていた。
そんな中、陛下がニース様に足を引っ掛けた令嬢をギロリと睨みつけた。
「祝いの席だから余計な事は言わぬ。だが、それなりの事は覚悟せよ」
「も、申し訳ありません……」
令嬢はガタガタと震えながら謝罪をしていたが、王家を含む私達はそんな令嬢に一切目を向けることなく歩いていった。
自業自得なだけに、誰も震えている令嬢に声をかけなかった。
「ぐすっ、ぐすっ。あのねーね、だいっきらい!」
「ウォンウォン!」
馬車に乗る寸前になっても、ニース様はべそをかいてルーカス様に抱きついて離れなかった。
シルバも友達のニース様を泣かせた令嬢の行為にかなり憤慨しているが、何とかスラちゃんがなだめてくれた。
王家だけでなく、ノルディア公爵家の者もグローリー公爵家の者も、あの令嬢の非道な振る舞いに憤慨していた。
「ふふふ、久々に頭にきたのじゃ。結婚式でなければ、あの馬鹿をたたっ斬ってやったのじゃ」
「同感ね。リンのことを転ばそうとして、よりによってニースを転ばせるとは」
マリア様とフレイア様も、令嬢の非礼な振る舞いに怒りが収まらないみたいだった。
そんな中、遂に陛下がある決断を下した。
「奴らの服装といい、先ほどの件といい、神聖な結婚式に相応しくない。余の命により、披露宴への参加を禁じる。まだ多くの者がいる教会内で禁止を通達すると混乱が起きる可能性があるので、王城に着いてから参加禁止を言い渡す」
「「「はっ」」」
陛下は近衛騎士に命令を下したけど、結構大きな騒動になってきちゃった。
しかし、あの四家以外の貴族は絶対に納得のいく理由だし、そもそも披露宴会場にいて欲しくないはずだ。
王家と公爵家は、プリプリしたまま馬車に乗って大教会からの移動を始めた。
シルバはニース様の側にいることになったので、そのまま王家の馬車に乗り込んだ。
程なくして王城に着いたが、ニース様は馬車内でもシルバと一緒にいた効果なのかだいぶ落ち着きを取り戻した。
正直なところ、誰もがホッとしていた。
シスターのアナウンスで、私達は大教会から移動する事になった。
どうやら、前世の様なブーケトスみたいなものはないという。
アメリアさんのブーケを、密かに欲しかったりした。
因みに、新郎新婦はお色直しとかもある為に、控室に移動して後ほど王城に来るという。
「では、移動しましょう」
「あう」
「ウォン!」
すると、王家と共にノルディア公爵夫人が立ち上がって私たちに声をかけた。
どうやら、大教会から移動するのも王家や上位貴族かららしい。
ノルディア公爵家の赤ちゃんと側にいたシルバが元気よく声をあげて、私も席から立ち上がった。
すると、例の四家の令嬢がノルディア公爵家と共に移動する私のことを見て、何であんたが一緒に移動しているのよと滅茶苦茶睨んできた。
更に、すれ違いざまに私の足目掛けて自分の足を出してきた。
どうやら、私を転ばせて恥をかかせようとしているらしい。
私の顔を見て、ニヤニヤしているのだからたちが悪い。
しかし、令嬢はとんでもない人を転ばせてしまったのです。
トテトテ。
シュッ、ドサッ。
「うあーん!」
「あっ……」
何と、令嬢は完全に足を出すタイミングを間違えて、よりによってシルバと共にご機嫌に歩いていたニース様を転ばせてしまったのです。
恐らく小さいニース様に気が付かなかったみたいだけど、私はニース様から二メートル以上後ろにいたのですが。
ニース様は豪快に転んでしまい、側にて抱き上げたルーカス様に抱きつきながら号泣していた。
私も直ぐにニース様の側に行って治療をしたけど、手のひらを打っていた。
よりによって王家の子どもを転ばせてしまったので、令嬢は凍りついた表情のまま固まっていた。
勿論、教会内もしーんと水を打ったかのように静まり返っていた。
そんな中、陛下がニース様に足を引っ掛けた令嬢をギロリと睨みつけた。
「祝いの席だから余計な事は言わぬ。だが、それなりの事は覚悟せよ」
「も、申し訳ありません……」
令嬢はガタガタと震えながら謝罪をしていたが、王家を含む私達はそんな令嬢に一切目を向けることなく歩いていった。
自業自得なだけに、誰も震えている令嬢に声をかけなかった。
「ぐすっ、ぐすっ。あのねーね、だいっきらい!」
「ウォンウォン!」
馬車に乗る寸前になっても、ニース様はべそをかいてルーカス様に抱きついて離れなかった。
シルバも友達のニース様を泣かせた令嬢の行為にかなり憤慨しているが、何とかスラちゃんがなだめてくれた。
王家だけでなく、ノルディア公爵家の者もグローリー公爵家の者も、あの令嬢の非道な振る舞いに憤慨していた。
「ふふふ、久々に頭にきたのじゃ。結婚式でなければ、あの馬鹿をたたっ斬ってやったのじゃ」
「同感ね。リンのことを転ばそうとして、よりによってニースを転ばせるとは」
マリア様とフレイア様も、令嬢の非礼な振る舞いに怒りが収まらないみたいだった。
そんな中、遂に陛下がある決断を下した。
「奴らの服装といい、先ほどの件といい、神聖な結婚式に相応しくない。余の命により、披露宴への参加を禁じる。まだ多くの者がいる教会内で禁止を通達すると混乱が起きる可能性があるので、王城に着いてから参加禁止を言い渡す」
「「「はっ」」」
陛下は近衛騎士に命令を下したけど、結構大きな騒動になってきちゃった。
しかし、あの四家以外の貴族は絶対に納得のいく理由だし、そもそも披露宴会場にいて欲しくないはずだ。
王家と公爵家は、プリプリしたまま馬車に乗って大教会からの移動を始めた。
シルバはニース様の側にいることになったので、そのまま王家の馬車に乗り込んだ。
程なくして王城に着いたが、ニース様は馬車内でもシルバと一緒にいた効果なのかだいぶ落ち着きを取り戻した。
正直なところ、誰もがホッとしていた。


