翌朝、私は王城に行く歳のドレスに着替えて身だしなみを念入りに整えていた。
何せ、今日のお茶会は二人の公爵家令嬢を相手にしないといけないのだ。
「ウォフ、ウォフ」
シルバの毛もブラシで念入りに梳かし、シルバも気持ちいいのかよく分からない声を出しながらとろけるような表情をしていた。
今日はお茶会がメインだからシルバがハッスルする様な事はないと思うが、シルバが調子に乗らないように私もスラちゃんも十分に気をつけないと。
そして、絶対に遅れてはいけないと思い、私たちは約束の一時間前に大教会に向かったのだった。
しかし、上には上がいた。
「リン、遅いですわ!」
「も、申し訳ありません……」
何と、既にフレイア様が大教会前で私たちを待っていたのです。
腰に手を当ててちょっとプリプリしていたフレイア様に反射的に頭を下げたけど、これはどういう事?
すると、フレイア様がニヤリとしながら自ら種明かしをしたのだ。
「私、今日のお茶会が楽しみで朝早く来たのよ。きっとリンは大教会に早く来るはずなので、驚かしてやろうと思ったのよ」
「ウォン!」
なんというか、やはりフレイア様は大貴族のご令嬢らしくないお茶目な性格だなあ。
シルバはドヤ顔のフレイア様に凄いと喜んでいたけど、私とスラちゃんはもう苦笑するばかりだった。
「皆様、おまたせして申し訳ありません。しかし、お二人とも本当に早いですね」
程なくしてアメリアさんも大教会に姿を現したけど、先に来ていたフレイア様と私の事を見てかなり驚いていた。
ともあれこれで面子が揃ったので、私たちはフレイア様の馬車に乗ってノルディア公爵家に向かった。
パカパカパカ。
「凄い、これが公爵家の馬車。内装も豪華だし、クッションもふかふかです」
「ある程度は、公爵家という威厳を出さないといけないのよ。勿論、乗り心地にもこだわっているわ」
フレイア様が少し自慢気に話していたが、なんというか大物貴族ってこういう馬車にもお金をかけるんだと改めて思い知った。
豪華なんだけど威厳があるというか、そんな装飾だった。
程なくして馬車は大きな屋敷の敷地内に入って行ったが、王城が直ぐ近くに見える好立地だった。
それだけ、ノルディア公爵家が王国の中でも凄い貴族なのだといえよう。
「これは凄い。屋敷というか、宮殿というか。庭も、まるで芸術品です」
「ウォン、ウォン!」
馬車を降りて玄関から周囲を見回すと、もう目の前の景色に圧倒されていた。
前世だと世界史の教科書に載っているような西欧の大宮殿と豪華だけど整っている大きな庭園が眼前に広がり、余りの凄さに脳の処理が追いついて居なかった。
アメリアさんが、ノルディア公爵家について更に補足してくれた。
「ノルディア公爵家は、王国の筆頭公爵家とも言われております。我が家のグローリー公爵家とは、歴史も格も全く違います」
「まあ、歴史だけは古臭い貴族家って事ね。とはいえ、過去に囚われずに新しい事や知識も大切にしているわ。過去にどんな凄いご先祖様がいたとしても、今生きているのは私たちですから」
フレイア様も少し補足してくれたけど、頭が固い貴族家ではなさそうだ。
固定概念よりも、柔軟な発想を大事にしているという。
それでも、やはりこの屋敷の規模には圧倒されるなぁ。
ズドドドド。
ちなみに、シルバは庭園を猛スピードであっという間に一周してとても満足そうにしていた。
広い所なので、走りたくてウズウズしていたみたいだった。
勿論スラちゃんを頭の上に乗せていて、危なくないように周囲の安全には気を配っていた。
「じゃあ、応接室に移動しましょう。とびっきりのお茶とお菓子を用意したわ」
フレイア様はそう言うと、ニコニコしながら私とアメリアさんの手を引いて屋敷の中に案内した。
屋敷の中も博物館ってくらい貴重な調度品が並んでいて、しかも玄関ホールが物凄く広かった。
玄関ホールは、舞踏会などもできる設計になっているという。
なんというか、色々な事に圧倒されてしまって脳の処理が追いついていなかった。
ガチャ。
「ここが我が家の応接室よ。今お茶を用意させるから、少し待っていてね」
フレイア様に案内された応接室は、王城の謁見の後に入った応接室よりも遥かに豪華だった。
この応接室で普通に暮らせるのではというくらいの広さで、お茶とかを用意する簡易厨房的な部屋もあった。
そして、少し待っていると何故か来客を告げられた。
コンコン。
「失礼します。フレイアお嬢様、マリア王女殿下がお越しになりました」
「あら、マリアも予定よりも早く来たのね」
あれ?
マリア様って、今日のお茶会に来る予定だったっけ。
でも、フレイア様の話し方を聞くに、マリア様も既にお茶会に来る予定になっていたみたいだ。
ガチャ。
「ふむ、予想通りなのじゃ。アメリアとリンのことじゃ、定刻よりも早く来ると思ったのじゃよ」
「ウォンウォン!」
何故かマリア様はドヤ顔で応接室に入ってきたけど、やはりお茶会に来る予定だったんだ。
シルバは、またまた知り合いが現れて尻尾をブンブンと振るほど喜んでいた。
これで今日の登場人物は勢揃いしたらしいが、王国王女様に二人の公爵家令嬢様ととんでもない組み合わせだぞ。
しかも、三人共これでもかってくらいの超美人さんだし、目の前が三人の眩しさで思わずチカチカしてしまった。
何せ、今日のお茶会は二人の公爵家令嬢を相手にしないといけないのだ。
「ウォフ、ウォフ」
シルバの毛もブラシで念入りに梳かし、シルバも気持ちいいのかよく分からない声を出しながらとろけるような表情をしていた。
今日はお茶会がメインだからシルバがハッスルする様な事はないと思うが、シルバが調子に乗らないように私もスラちゃんも十分に気をつけないと。
そして、絶対に遅れてはいけないと思い、私たちは約束の一時間前に大教会に向かったのだった。
しかし、上には上がいた。
「リン、遅いですわ!」
「も、申し訳ありません……」
何と、既にフレイア様が大教会前で私たちを待っていたのです。
腰に手を当ててちょっとプリプリしていたフレイア様に反射的に頭を下げたけど、これはどういう事?
すると、フレイア様がニヤリとしながら自ら種明かしをしたのだ。
「私、今日のお茶会が楽しみで朝早く来たのよ。きっとリンは大教会に早く来るはずなので、驚かしてやろうと思ったのよ」
「ウォン!」
なんというか、やはりフレイア様は大貴族のご令嬢らしくないお茶目な性格だなあ。
シルバはドヤ顔のフレイア様に凄いと喜んでいたけど、私とスラちゃんはもう苦笑するばかりだった。
「皆様、おまたせして申し訳ありません。しかし、お二人とも本当に早いですね」
程なくしてアメリアさんも大教会に姿を現したけど、先に来ていたフレイア様と私の事を見てかなり驚いていた。
ともあれこれで面子が揃ったので、私たちはフレイア様の馬車に乗ってノルディア公爵家に向かった。
パカパカパカ。
「凄い、これが公爵家の馬車。内装も豪華だし、クッションもふかふかです」
「ある程度は、公爵家という威厳を出さないといけないのよ。勿論、乗り心地にもこだわっているわ」
フレイア様が少し自慢気に話していたが、なんというか大物貴族ってこういう馬車にもお金をかけるんだと改めて思い知った。
豪華なんだけど威厳があるというか、そんな装飾だった。
程なくして馬車は大きな屋敷の敷地内に入って行ったが、王城が直ぐ近くに見える好立地だった。
それだけ、ノルディア公爵家が王国の中でも凄い貴族なのだといえよう。
「これは凄い。屋敷というか、宮殿というか。庭も、まるで芸術品です」
「ウォン、ウォン!」
馬車を降りて玄関から周囲を見回すと、もう目の前の景色に圧倒されていた。
前世だと世界史の教科書に載っているような西欧の大宮殿と豪華だけど整っている大きな庭園が眼前に広がり、余りの凄さに脳の処理が追いついて居なかった。
アメリアさんが、ノルディア公爵家について更に補足してくれた。
「ノルディア公爵家は、王国の筆頭公爵家とも言われております。我が家のグローリー公爵家とは、歴史も格も全く違います」
「まあ、歴史だけは古臭い貴族家って事ね。とはいえ、過去に囚われずに新しい事や知識も大切にしているわ。過去にどんな凄いご先祖様がいたとしても、今生きているのは私たちですから」
フレイア様も少し補足してくれたけど、頭が固い貴族家ではなさそうだ。
固定概念よりも、柔軟な発想を大事にしているという。
それでも、やはりこの屋敷の規模には圧倒されるなぁ。
ズドドドド。
ちなみに、シルバは庭園を猛スピードであっという間に一周してとても満足そうにしていた。
広い所なので、走りたくてウズウズしていたみたいだった。
勿論スラちゃんを頭の上に乗せていて、危なくないように周囲の安全には気を配っていた。
「じゃあ、応接室に移動しましょう。とびっきりのお茶とお菓子を用意したわ」
フレイア様はそう言うと、ニコニコしながら私とアメリアさんの手を引いて屋敷の中に案内した。
屋敷の中も博物館ってくらい貴重な調度品が並んでいて、しかも玄関ホールが物凄く広かった。
玄関ホールは、舞踏会などもできる設計になっているという。
なんというか、色々な事に圧倒されてしまって脳の処理が追いついていなかった。
ガチャ。
「ここが我が家の応接室よ。今お茶を用意させるから、少し待っていてね」
フレイア様に案内された応接室は、王城の謁見の後に入った応接室よりも遥かに豪華だった。
この応接室で普通に暮らせるのではというくらいの広さで、お茶とかを用意する簡易厨房的な部屋もあった。
そして、少し待っていると何故か来客を告げられた。
コンコン。
「失礼します。フレイアお嬢様、マリア王女殿下がお越しになりました」
「あら、マリアも予定よりも早く来たのね」
あれ?
マリア様って、今日のお茶会に来る予定だったっけ。
でも、フレイア様の話し方を聞くに、マリア様も既にお茶会に来る予定になっていたみたいだ。
ガチャ。
「ふむ、予想通りなのじゃ。アメリアとリンのことじゃ、定刻よりも早く来ると思ったのじゃよ」
「ウォンウォン!」
何故かマリア様はドヤ顔で応接室に入ってきたけど、やはりお茶会に来る予定だったんだ。
シルバは、またまた知り合いが現れて尻尾をブンブンと振るほど喜んでいた。
これで今日の登場人物は勢揃いしたらしいが、王国王女様に二人の公爵家令嬢様ととんでもない組み合わせだぞ。
しかも、三人共これでもかってくらいの超美人さんだし、目の前が三人の眩しさで思わずチカチカしてしまった。


