翌朝、私は冒険者ギルドで手続きを終えると最初に武器屋に寄った。
害獣駆除をするのに、流石に魔鉄製のダガーだけでは心許ない。
「ウォン、ウォン」
「えっ、格闘も使える? うーん、流石に魔物を殴り飛ばすのはちょっと抵抗があるよ……」
「ウォン?」
シルバ、この前ならず者を撃退した時は怒りもあったから何とかできたのであって、冷静な状況で対応できるかは分からないよ。
シルバは私の返答を不思議そうに聞いていたけど、多分そんなものですよ。
そんなどうでもいいことを話しながら、私たちは武器屋に到着です。
「おっ、嬢ちゃん早速来たな。通常の武器のメンテナンスも完了しているぞ」
親方が、待っていたぞとカウンターに注文した剣を置いた。
とても綺麗な剣に仕上がっていて、魔力を軽く流すと自然と魔法剣が発動した。
握りもとてもよく、とても良い剣に仕上がっていた。
剣を見つめる私のことを、親方も腕を組みながら満足そうに眺めていた。
「親方さん、ありがとうございます。大切に使います!」
「おう。だが、宝の持ち腐れだけは勘弁だ。剣は、使ってこそ意味があるぞ」
確かに、道具も使ってこそ意味があるよね。
今まで使っていた剣を魔法袋に入れて、魔鉄製の剣を腰に下げた。
準備万端になったので、改めて王城の近くにある軍の施設に向かった。
すると、ラブラブな空気を醸し出している二人がいるので、敢えて空気を読まずに遠慮なく話しかけた。
「皆さん、おはようございます」
「ウォン!」
「おお、おはよう。おっ、さっそく新しい剣を装備しているな」
「ええ、軍服姿がとっても凛々しいですわね」
アーサー様とアメリアさんは、私に普通に挨拶を言ってきた。
しかも、色々と補足までしてきた。
くそー、これが偉い人の心の余裕なのか。
シルバはいつも通りスラちゃんを頭の上に乗せて、アメリアさんに尻尾をブンブンと振りながら挨拶をしていた。
「アメリアさん、今日は軍の治療施設での治療をお任せしちゃって申し訳ないです」
「リンさんは私には出来ない害獣駆除をされるのですから、私のことはお気になさらずに。私も、出来ることを頑張るだけですから」
ニコリとしながら話しているアメリアさんを見て、やっぱり聖女様は凄いなあと改めて感心した。
そして、軍の事務棟付近に移動すると、ルーカス様が部下に色々と指示を出していた。
「ルーカス様、おはようございます。今日は宜しくお願いします」
「ウォン!」
「リン、おはよう。お願いするのはこちらだよ。もう暫くこの辺りで待っていてくれ」
流石はルーカス様、王子様スマイルでニコリとしながら私に話しかけてきた。
シルバとスラちゃんも元気よくルーカス様に挨拶していたけど、この国の王族は本当に良い人達だ。
では、いつでも動けるように準備運動をしておこう。
特に、今日はいつもよりも魔物とかが多く現れる場所だ。
ポーションとかのアイテムも魔法袋の中に入れているし、食料も多めに用意している。
シルバはともかくとして、スラちゃんもいざとなったら水魔法で飲水を作り出すこともできる。
取り合えず、自衛のためにできるだけの準備はした。
「おーい、待たせた。では、行くとしよう」
「ウォン!」
準備を整えたところで、ルーカス様が騎馬隊と共にやって来た。
シルバとスラちゃんは、一緒に行動する馬たちに挨拶をしていた。
そして、今回は予定通りベテラン兵と新兵の中でも腕が立つものが選ばれていた。
これなら私も安心だし、ルーカス様の護衛という意味でも安心だ。
「兄上、行ってきます」
「気をつけて行ってこいよ。何かあったら直ぐに連絡するように」
ルーカス様は、アーサー様に挨拶をして馬に跨った。
私も、直ぐにシルバに跨った。
そして、私たちは街道沿いの森に向かって進み始めた。
目的地は、王都から馬の脚で一時間ほどの距離にあるという。
主要な街道から少し外れたところに、その目的地はあるらしい。
総勢三十人以上の軍勢で、現地に向かうことになった。
道中は何事もなく進んだのだが、現地に着くと直ぐに異変に気がついた。
「ウォン、ウォン!」
シルバが、森の中が騒がしいと警戒し始めたのだ。
私も、森から漂うただならぬ緊張感に思わず汗を拭った。
森全体がピリピリしていて、一緒に来たベテラン兵も直ぐに装備を整えた。
「確かに、これはおかしい。直ぐに兄上に連絡を取る」
ルーカス様も森の異変に気が付き、胸元からスマホみたいな魔導具を取り出した。
通信用魔導具らしく、この国の魔導具のレベルの高さを改めて知った。
そして、結果的にこの判断が吉と出た。
ガサガサ、ガサガサ。
「何か現れるぞ! 総員、戦闘準備だ。馬を守りながらの戦いになるぞ!」
「「「おう!」」」
森から接近するものに、全員が迎撃態勢を取った。
私も、朝受け取ったばかりの真新しい魔鉄製の剣を構えた。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ブォー!」」」
「ちっ、オークの群れか!」
そして、森を緊張状態にしていた張本人たちが姿を現した。
ベテラン兵が思わず叫んでいたが、豚のような巨漢の体を誇るオークの大群が目の前に現れたのだ。
害獣駆除をするのに、流石に魔鉄製のダガーだけでは心許ない。
「ウォン、ウォン」
「えっ、格闘も使える? うーん、流石に魔物を殴り飛ばすのはちょっと抵抗があるよ……」
「ウォン?」
シルバ、この前ならず者を撃退した時は怒りもあったから何とかできたのであって、冷静な状況で対応できるかは分からないよ。
シルバは私の返答を不思議そうに聞いていたけど、多分そんなものですよ。
そんなどうでもいいことを話しながら、私たちは武器屋に到着です。
「おっ、嬢ちゃん早速来たな。通常の武器のメンテナンスも完了しているぞ」
親方が、待っていたぞとカウンターに注文した剣を置いた。
とても綺麗な剣に仕上がっていて、魔力を軽く流すと自然と魔法剣が発動した。
握りもとてもよく、とても良い剣に仕上がっていた。
剣を見つめる私のことを、親方も腕を組みながら満足そうに眺めていた。
「親方さん、ありがとうございます。大切に使います!」
「おう。だが、宝の持ち腐れだけは勘弁だ。剣は、使ってこそ意味があるぞ」
確かに、道具も使ってこそ意味があるよね。
今まで使っていた剣を魔法袋に入れて、魔鉄製の剣を腰に下げた。
準備万端になったので、改めて王城の近くにある軍の施設に向かった。
すると、ラブラブな空気を醸し出している二人がいるので、敢えて空気を読まずに遠慮なく話しかけた。
「皆さん、おはようございます」
「ウォン!」
「おお、おはよう。おっ、さっそく新しい剣を装備しているな」
「ええ、軍服姿がとっても凛々しいですわね」
アーサー様とアメリアさんは、私に普通に挨拶を言ってきた。
しかも、色々と補足までしてきた。
くそー、これが偉い人の心の余裕なのか。
シルバはいつも通りスラちゃんを頭の上に乗せて、アメリアさんに尻尾をブンブンと振りながら挨拶をしていた。
「アメリアさん、今日は軍の治療施設での治療をお任せしちゃって申し訳ないです」
「リンさんは私には出来ない害獣駆除をされるのですから、私のことはお気になさらずに。私も、出来ることを頑張るだけですから」
ニコリとしながら話しているアメリアさんを見て、やっぱり聖女様は凄いなあと改めて感心した。
そして、軍の事務棟付近に移動すると、ルーカス様が部下に色々と指示を出していた。
「ルーカス様、おはようございます。今日は宜しくお願いします」
「ウォン!」
「リン、おはよう。お願いするのはこちらだよ。もう暫くこの辺りで待っていてくれ」
流石はルーカス様、王子様スマイルでニコリとしながら私に話しかけてきた。
シルバとスラちゃんも元気よくルーカス様に挨拶していたけど、この国の王族は本当に良い人達だ。
では、いつでも動けるように準備運動をしておこう。
特に、今日はいつもよりも魔物とかが多く現れる場所だ。
ポーションとかのアイテムも魔法袋の中に入れているし、食料も多めに用意している。
シルバはともかくとして、スラちゃんもいざとなったら水魔法で飲水を作り出すこともできる。
取り合えず、自衛のためにできるだけの準備はした。
「おーい、待たせた。では、行くとしよう」
「ウォン!」
準備を整えたところで、ルーカス様が騎馬隊と共にやって来た。
シルバとスラちゃんは、一緒に行動する馬たちに挨拶をしていた。
そして、今回は予定通りベテラン兵と新兵の中でも腕が立つものが選ばれていた。
これなら私も安心だし、ルーカス様の護衛という意味でも安心だ。
「兄上、行ってきます」
「気をつけて行ってこいよ。何かあったら直ぐに連絡するように」
ルーカス様は、アーサー様に挨拶をして馬に跨った。
私も、直ぐにシルバに跨った。
そして、私たちは街道沿いの森に向かって進み始めた。
目的地は、王都から馬の脚で一時間ほどの距離にあるという。
主要な街道から少し外れたところに、その目的地はあるらしい。
総勢三十人以上の軍勢で、現地に向かうことになった。
道中は何事もなく進んだのだが、現地に着くと直ぐに異変に気がついた。
「ウォン、ウォン!」
シルバが、森の中が騒がしいと警戒し始めたのだ。
私も、森から漂うただならぬ緊張感に思わず汗を拭った。
森全体がピリピリしていて、一緒に来たベテラン兵も直ぐに装備を整えた。
「確かに、これはおかしい。直ぐに兄上に連絡を取る」
ルーカス様も森の異変に気が付き、胸元からスマホみたいな魔導具を取り出した。
通信用魔導具らしく、この国の魔導具のレベルの高さを改めて知った。
そして、結果的にこの判断が吉と出た。
ガサガサ、ガサガサ。
「何か現れるぞ! 総員、戦闘準備だ。馬を守りながらの戦いになるぞ!」
「「「おう!」」」
森から接近するものに、全員が迎撃態勢を取った。
私も、朝受け取ったばかりの真新しい魔鉄製の剣を構えた。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ブォー!」」」
「ちっ、オークの群れか!」
そして、森を緊張状態にしていた張本人たちが姿を現した。
ベテラン兵が思わず叫んでいたが、豚のような巨漢の体を誇るオークの大群が目の前に現れたのだ。


