言えなかった2文字は白く藍色に残っている



「おはようございまーす」

来る日も来る日も私の元へやってくるのは看護師さんだけ

「さとちゃんおはよー」
「おはよーって。私一応看護師なんですけど?」

さとちゃんは私の看護師さん
話しやすくて絡みやすいから大好き

「ねぇねぇ来週花火大会らしいじゃん」
「あー。なんかそうみたいだね」
「ここから見えるかな。屋上とか」

さとちゃんは首を傾げた

「屋上は多分見えるんじゃないかな」
「ほんと!?みよー」
「1人?」

なぜか湊くんの顔が浮かぶ

「9月の花火ってさ、なんか夏の終わりって感じで切ないよね」

看護師さんのその言葉が本当に切なくて忘れられない

「私からしたら最後の夏だから」

さとちゃんは一瞬止まったけどまたすぐに手を動かした

「さとちゃん。瀬川って人ここの病院に入院してる?」
「女の子?」

確か妹って言ってたよな

「たぶん?」
「あんま個人情報だから言えないけど瀬川奏ちゃんかな」
「か、なちゃん?その人お兄ちゃんいるよね?」
「あーいるね。よくお見舞い来てるよ。奏ちゃんはもう、ね。」

もう、?なんだろう

「じゃ花火大会屋上が穴場だよ。じゃーね」
「うん!ありがとう!」

奏さんの病気はなんなんだろう
気になる
病室探そうかな