「私だけを見つめて?」
 そう言うと彼は嬉しそうに笑う。

 私は別に束縛とかはしない。
 というより、束縛するのは苦手であった。

 嫉妬する気持ちをグッと抑えてきた。
 なのに、彼は嫉妬する私をニコニコと見つめてきて当然のように言う。

「可愛いね」と。
 今までの彼氏は「束縛する女ってめんどくさい」と言われ、別れてた。

 彼は、逆に嫉妬されたいらしい。
 彼が言うには嫉妬イコール愛されている、ということらしい。

「嫉妬するってことは僕のこと大好きだし、僕から離れていかないってことだよね?」
 一度、嫉妬する女ってめんどくさいのか。

 そんな質問をしたけれど、彼からしたら嫉妬は愛らしい。
 だから、私は嫉妬したら伝えるようにしている。

 すると、彼はいつもニコニコして「うん。可愛いね」と甘やかしてくる。
「ねぇ、別れようって言ったらどうする?」

 冗談で言ったつもりが、いつのまにかベットに倒されいた。
「別れるわけないじゃん。なんなら、ずっと家に閉じ込めるよ」

 いつものニコニコ笑顔なのに、いつもよりも悪い顔をしている。
 そんな彼の一面をしれてうれしいと思う。

「私も愛してる。絶対に離れてなんてあげないから」