【2話】アイドルはいろんなこと勉強中
水谷 成(ミズタニ ナル)高校一年生
進藤 海斗(シンドウ カイト)高校三年生
橘 ルカ(タチバナ ルカ)高校三年生
噂の生放送翌日、『トロワアムール』はSNSを騒がせていた。
満足そうな、ルカ。
何か思うことはありそうだが、落ち着いている海斗。
そして、ただ一人、成だけが、人心地のしない心中にいた。
ルカは、『トロワアムール』の中でも、ピカ一の美貌の持ち主だ。
生まれながらに色素の薄い髪、目。
人形のように整った、顔立ち。
すらっと伸びた、手足。
まるで、王子様のようだ。
ルカの要旨から入り、『トロワアムール』のファンになる子も少なくない。
ルカとの恋を夢見ているファンも、多いだろう。
それなのに、それなのに。
まさか、自分がキス(未遂)事件を起こしてしまうなんて。
何度考えても、昨日の自分を殴ってしまいたい衝動にかられ、成は、まさか騒ぎになっていると噂のSNSを自分で見て、事実を確認するなんてことできないでいた。
自分への誹謗中傷であれば、かまわない。
けれど、そこにはきっと、ルカに対する悲痛な意見もあるだろう。
申し訳なさ過ぎて、成はルカに対しても、そっけない態度をとり続けていた。
マネージャーが用事で控室を後にすると、なんとも言い難い雰囲気が三人をまとった。
「な、る」
ルカが面白くなさそうに、成に後ろから抱き着いた。
鏡越しに美しいルカと視線があい、成は動揺する。
「ル、ルカ…」
「朝から俺のこと、避けてるでしょ」
「さ、避けてなんて……」
「昨日は、あんなに素敵なキスをした仲なのに、冷たいなぁ」
「キ、キ、キスはしてないだろ、ぎ、ギリギリ」
成の言葉に、海斗が少し反応した。
ルカは、それを目の端にとらえ、クスッと笑う。
「でも、ごめん」
「ごめん?何に謝ってるの」
「僕が……生放送でふがいないから、フォローで……やってくれたんでしょ」
水谷 成(ミズタニ ナル)高校一年生
進藤 海斗(シンドウ カイト)高校三年生
橘 ルカ(タチバナ ルカ)高校三年生
噂の生放送翌日、『トロワアムール』はSNSを騒がせていた。
満足そうな、ルカ。
何か思うことはありそうだが、落ち着いている海斗。
そして、ただ一人、成だけが、人心地のしない心中にいた。
ルカは、『トロワアムール』の中でも、ピカ一の美貌の持ち主だ。
生まれながらに色素の薄い髪、目。
人形のように整った、顔立ち。
すらっと伸びた、手足。
まるで、王子様のようだ。
ルカの要旨から入り、『トロワアムール』のファンになる子も少なくない。
ルカとの恋を夢見ているファンも、多いだろう。
それなのに、それなのに。
まさか、自分がキス(未遂)事件を起こしてしまうなんて。
何度考えても、昨日の自分を殴ってしまいたい衝動にかられ、成は、まさか騒ぎになっていると噂のSNSを自分で見て、事実を確認するなんてことできないでいた。
自分への誹謗中傷であれば、かまわない。
けれど、そこにはきっと、ルカに対する悲痛な意見もあるだろう。
申し訳なさ過ぎて、成はルカに対しても、そっけない態度をとり続けていた。
マネージャーが用事で控室を後にすると、なんとも言い難い雰囲気が三人をまとった。
「な、る」
ルカが面白くなさそうに、成に後ろから抱き着いた。
鏡越しに美しいルカと視線があい、成は動揺する。
「ル、ルカ…」
「朝から俺のこと、避けてるでしょ」
「さ、避けてなんて……」
「昨日は、あんなに素敵なキスをした仲なのに、冷たいなぁ」
「キ、キ、キスはしてないだろ、ぎ、ギリギリ」
成の言葉に、海斗が少し反応した。
ルカは、それを目の端にとらえ、クスッと笑う。
「でも、ごめん」
「ごめん?何に謝ってるの」
「僕が……生放送でふがいないから、フォローで……やってくれたんでしょ」
