分かってて、それでも間山は自分がすることを選択するらしい。計算で動く俺とは違い、この場合は本当にやさしさだけが発揮されているわけで。
「でも、俺でいいならいいかなって思ってるから。ほら、望んで怒られる人っていないじゃん?」
『ご、ごめん。でも、そういうのって周りが言うことじゃないっていうか。朝宮は、望んでないと思うから』
――望んで。
またあの時と同じように、間山は言う。
人の気持ちばかりを優先して、自分のことなんて後回しにする。こんなの、あのとき俺を庇ったときと同じだ。
ずっと見ていたからこそ、どうして間山だと確信が持てなかったのだろう。
あれはどう考えても間山だったじゃないか。
「朝宮?」
呼びかけられて、その双(そう)眸(ぼう)を見たとき、息が止まった。
観察対象が、俺を見ている。俺だけが間山を見ていたのに、間山に見られるということが、こんなにも破壊力があるなんて知らなかった。
俺の顔じゃなくて、俺の心を汲み取ろうとしたその目は、何もかもを見透かしてしまいそうな力を宿していた。
なんとなく、分かっていた。
間山を目で追いかけるようになっていたことも、いつの間にか姿を探すようになっていたことも。
そういうひとつひとつに気づかないフリをしていたのに。限界がきてしまった。
俺は、間山が好きだ。
俺にはないものを持っているこの人間のことを、気がついたらたぶん、すごい好きになってしまっていた。
だけど困らせることは分かっていたから、ただ好きでいられればいいと思っていた。ほかに何もいらないから、陰ながら間山のことだけをこれからも見守っていけたらと。
それなのに、席替えで間山が俺の前に座った。あまりの近さに手を伸ばしそうになって。だめだと言い聞かせて、告白のプリントを回した。
気づいた間山は驚いていた。それもそうだ。俺の好意なんて知るはずもなかったのだから。
ただ好きでいられたらいいと、本気でそう思っていたのに。
間山が近くにいると、制御出来なくなる自分がいる。
早く俺のものになってほしいと、そんなことを誰かに対して思うなんて、考えたこともなかった。
それでも間山の気持ちを尊重したい。
間山が嫌がることだけは絶対にしたくない。
間山が俺の心を守ってくれたように、俺も間山の心を守りたい。
それだけは、決めたことだった。
「でも、俺でいいならいいかなって思ってるから。ほら、望んで怒られる人っていないじゃん?」
『ご、ごめん。でも、そういうのって周りが言うことじゃないっていうか。朝宮は、望んでないと思うから』
――望んで。
またあの時と同じように、間山は言う。
人の気持ちばかりを優先して、自分のことなんて後回しにする。こんなの、あのとき俺を庇ったときと同じだ。
ずっと見ていたからこそ、どうして間山だと確信が持てなかったのだろう。
あれはどう考えても間山だったじゃないか。
「朝宮?」
呼びかけられて、その双(そう)眸(ぼう)を見たとき、息が止まった。
観察対象が、俺を見ている。俺だけが間山を見ていたのに、間山に見られるということが、こんなにも破壊力があるなんて知らなかった。
俺の顔じゃなくて、俺の心を汲み取ろうとしたその目は、何もかもを見透かしてしまいそうな力を宿していた。
なんとなく、分かっていた。
間山を目で追いかけるようになっていたことも、いつの間にか姿を探すようになっていたことも。
そういうひとつひとつに気づかないフリをしていたのに。限界がきてしまった。
俺は、間山が好きだ。
俺にはないものを持っているこの人間のことを、気がついたらたぶん、すごい好きになってしまっていた。
だけど困らせることは分かっていたから、ただ好きでいられればいいと思っていた。ほかに何もいらないから、陰ながら間山のことだけをこれからも見守っていけたらと。
それなのに、席替えで間山が俺の前に座った。あまりの近さに手を伸ばしそうになって。だめだと言い聞かせて、告白のプリントを回した。
気づいた間山は驚いていた。それもそうだ。俺の好意なんて知るはずもなかったのだから。
ただ好きでいられたらいいと、本気でそう思っていたのに。
間山が近くにいると、制御出来なくなる自分がいる。
早く俺のものになってほしいと、そんなことを誰かに対して思うなんて、考えたこともなかった。
それでも間山の気持ちを尊重したい。
間山が嫌がることだけは絶対にしたくない。
間山が俺の心を守ってくれたように、俺も間山の心を守りたい。
それだけは、決めたことだった。

