「お嫁なんてまっぴらです!」双子皇女、婚約回避の起業と溺愛され直しの人生

「よく眠っているね……。アマンダ、二人が目覚めたら見せてやってくれ」

爽やかな風が流れて、柔らかな日差しがそれを追いかける。
心地よくて、全身が溶けてしまいそうだ。

開け放たれた大きな窓と、そばに立つ男性の姿。

私はうっすらと開けた瞼の隙間から、その後ろ姿を見ていた。

(あれはいったい誰だろう——?)

「承知いたしました、まだお目覚めには時間がかかりそうですわね」

「あぁ、良いことじゃないか。皇族に生まれたんだ、あまり神経質でも困るからな。このくらいおおらかな方がいいよ」

男性はそう言うと、私たちの頬に人差し指の背を当てて、優しく二度ほど撫でてくれた。
そうして楽しそうにクスッと笑うと——「可愛いなぁ」とまた呟く。

今日の日差しのように暖かな声だった。



——《つづく》