「ごめんなさい。僕のせいで嫌な事を思い出してますよね、今」
「うん、だから責任を持って最後まで聞いてね」
「は、はい……」
青年の怯えるような声が聞こえた気がしたが、無視して話を続けた。
「アイツさ、元カノ呼んだの! どう思う!?」
思わず強まる語気と声音。
青年の息を飲む音が聞こえた。
「あー、えーっと、そうですね。それはちょっと引きますね。でも、友達に戻ってるなら大丈夫なんじゃ……」
「――ないのよ。ダメなのよ」
「は、はい、ないですよね。うん、ないです。はい」
私に気圧される青年。
怒りスイッチが入ってしまった私は、誰にも止める事は出来ない。
「彼氏の方はずっと否定してて、全然相手にしてなかったんだけど、元カノの方が未練たらたらでさ」
「何か言われたんですか?」
「うーん、言われてはないんだけど、終始彼氏から離れなかったって言うか、ずっとベッタリで……」
「それはイラつきますね」
「でしょ? しかも、周りの友達も冷やかしてばかりで、誰も止めないの」
「そ、それはさぞかし居心地が悪かったでしょう」
「マジでそう。彼氏の実家じゃなかったら大暴れしてたよ」
「我慢したんですか?」
「流石にね、未来の旦那の友達だし、大事にした方がいいかなって。その代り、旅館に戻って大喧嘩。そして今ここ」
話しの終りを知らせるように、竹串をタマゴらしきものに突き刺した。
「お姉さんは優しい人ですね」
「そうかな?」
「元カノさんとも、ちゃんと話せば仲良くなれると思いますよ」
「それはちょっと遠慮したいかな……」
「その元カノさん、どんな人なんですか?」
「うーん、確か、彼氏の幼馴染だって言ってたかな。物凄く美人でスタイルが良くて、あと、私よりも確実に若かった。とにかく若かった」
「なんか、容姿よりも若さに一番引っかかってません?」
「うん、やっぱり男は恋人に若さを求めるんだなって……」
「そうですか? 僕は年上が好みですけどね」
怒りに塗れた脳に、聞き捨てならない言葉が聞こえて来た。
こ、これは、何かのアピール!?
「ち、因みに、何歳ぐらい上がお好みで?」
「うーん、五歳くらいですかね」
私じゃん!
もう私でいいじゃん!
最初からそのつもりで声かけて来た!?
ねぇ? そうだよね?
「へ、へぇー、実は私、もうすぐにじゅうは……」
「あ、ごめんなさい、ちょっと――」
突然、青年はスマホを触り始める。
短い通知音が数回。
メッセージのやり取りをしているのだろうか。
淡い光に照らされた表情は、とても幸せそうだ。
友達?
家族?
それとも――。
しばらくすると通知音が落ち着き、青年は肩から大きく息を吐く。
次の通知音が鳴る前にと、私は慌てて声をかけた。
「うん、だから責任を持って最後まで聞いてね」
「は、はい……」
青年の怯えるような声が聞こえた気がしたが、無視して話を続けた。
「アイツさ、元カノ呼んだの! どう思う!?」
思わず強まる語気と声音。
青年の息を飲む音が聞こえた。
「あー、えーっと、そうですね。それはちょっと引きますね。でも、友達に戻ってるなら大丈夫なんじゃ……」
「――ないのよ。ダメなのよ」
「は、はい、ないですよね。うん、ないです。はい」
私に気圧される青年。
怒りスイッチが入ってしまった私は、誰にも止める事は出来ない。
「彼氏の方はずっと否定してて、全然相手にしてなかったんだけど、元カノの方が未練たらたらでさ」
「何か言われたんですか?」
「うーん、言われてはないんだけど、終始彼氏から離れなかったって言うか、ずっとベッタリで……」
「それはイラつきますね」
「でしょ? しかも、周りの友達も冷やかしてばかりで、誰も止めないの」
「そ、それはさぞかし居心地が悪かったでしょう」
「マジでそう。彼氏の実家じゃなかったら大暴れしてたよ」
「我慢したんですか?」
「流石にね、未来の旦那の友達だし、大事にした方がいいかなって。その代り、旅館に戻って大喧嘩。そして今ここ」
話しの終りを知らせるように、竹串をタマゴらしきものに突き刺した。
「お姉さんは優しい人ですね」
「そうかな?」
「元カノさんとも、ちゃんと話せば仲良くなれると思いますよ」
「それはちょっと遠慮したいかな……」
「その元カノさん、どんな人なんですか?」
「うーん、確か、彼氏の幼馴染だって言ってたかな。物凄く美人でスタイルが良くて、あと、私よりも確実に若かった。とにかく若かった」
「なんか、容姿よりも若さに一番引っかかってません?」
「うん、やっぱり男は恋人に若さを求めるんだなって……」
「そうですか? 僕は年上が好みですけどね」
怒りに塗れた脳に、聞き捨てならない言葉が聞こえて来た。
こ、これは、何かのアピール!?
「ち、因みに、何歳ぐらい上がお好みで?」
「うーん、五歳くらいですかね」
私じゃん!
もう私でいいじゃん!
最初からそのつもりで声かけて来た!?
ねぇ? そうだよね?
「へ、へぇー、実は私、もうすぐにじゅうは……」
「あ、ごめんなさい、ちょっと――」
突然、青年はスマホを触り始める。
短い通知音が数回。
メッセージのやり取りをしているのだろうか。
淡い光に照らされた表情は、とても幸せそうだ。
友達?
家族?
それとも――。
しばらくすると通知音が落ち着き、青年は肩から大きく息を吐く。
次の通知音が鳴る前にと、私は慌てて声をかけた。

