目覚めるとゆりなは、もうベッドにはいなかった。
由岐奈の枕元にメモが置いてあり、
「ライン交換しましょ」と、IDが書いてあった。
正直、由岐奈としては妹よりも店長と仲良くなりたかった。
同性の友達が出来ても、いつも長続きしないし。
──だけど…妹と先に仲良くなったら店長と近付きやすいかも。
由岐奈はライン登録して部屋を出た。
「おはようございます♪」
ゆりなが席についた由岐奈に朝食を運んできた。
「ごゆっくり、どうぞ」
由岐奈は店長の姿を一目見たくて、そっと立ち上がった。
前回よりはカウンター席に近くて、店長の姿がよく見えた。
お洒落なバーに、そぐわない炊きたてのご飯と味噌汁の香りが充ちている。
ご飯と味噌汁、焼きたての鮭など手際よく朝食を用意していきカウンターに次々と料理を載せている。
ゆりなはテキパキと運んでいた。
カウンターに和食の盆を載せてゆりなにテーブル番号を告げた滝野は由岐奈に気付いて微笑んだ。
──はっっ!私ったら!
由岐奈は、ペコリと頭を下げてから席に座った。
──ジッと見てたの、解っちゃったかなぁ…だって、カッコいいんだもん。
朝食を食べ終えるとゆりながお茶を運んできてくれた。
「兄からサービスです」
──えぇえええっ!
嬉しさと驚きで由岐奈は立ち上がるとカウンターに行った。
「あ、あのっ、お茶ありがとうございます」
「どういたしまして。ゆっくりしていってください」
──わあぁ…嬉しい♪口きいちゃった。
由岐奈はペコリと頭を下げてフラフラしながら席に戻って、一滴も残さず、お茶を飲み干した。
ゲームバーに泊まっていた客が一人、また一人と店を出て行った。
「ありがとうございました」
ゆりなが店を出て行く客一人一人に丁寧に声をかけて見送っている。
席を立って店内を見渡すと客は由岐奈一人だけだった。
──会社には、ちょっと早いけど、お店は閉まるし行かなくちゃ。
由岐奈は、もう一度席につくと、そそくさとバッグを持ってテーブルから離れかけた。
「由岐奈さん、会社、何時からです?近いんですか?」
ゆりなが声をかけてきた。
「九時から、なんです」
「遠いんですか?」
「このお店からなら歩いて四十分くらいです」
ゆりながタタッと小走りで由岐奈に近付くと手を握った。
「ええ~会社、めちゃめちゃ早く着いちゃうじゃないですか」
言いながら兄の顔を見て、
「ね、お兄ちゃん、」
滝野は妹に頷いて見せた。
「やった♪ね、由岐奈さん、良かったら、もう少し居てください」
「え、でも、お店閉めますよね…御迷惑じゃ…」
言いかける由岐奈の腕に自分の腕を巻きつけてゆりなはブンブンと勢いよく首を横に振った。
「大丈夫。由岐奈さんが良かったら、もう少しゆっくりしていって」
「うちは構わないですから」
滝野が微笑み、由岐奈は、もう少し居ることにした。
「じゃあ、スミマセン少しだけ」
「やったっ♪」
ゆりなが由岐奈の腕をグイグイ引っ張って夕べ仮眠した自分の部屋に連れていった。
由岐奈の枕元にメモが置いてあり、
「ライン交換しましょ」と、IDが書いてあった。
正直、由岐奈としては妹よりも店長と仲良くなりたかった。
同性の友達が出来ても、いつも長続きしないし。
──だけど…妹と先に仲良くなったら店長と近付きやすいかも。
由岐奈はライン登録して部屋を出た。
「おはようございます♪」
ゆりなが席についた由岐奈に朝食を運んできた。
「ごゆっくり、どうぞ」
由岐奈は店長の姿を一目見たくて、そっと立ち上がった。
前回よりはカウンター席に近くて、店長の姿がよく見えた。
お洒落なバーに、そぐわない炊きたてのご飯と味噌汁の香りが充ちている。
ご飯と味噌汁、焼きたての鮭など手際よく朝食を用意していきカウンターに次々と料理を載せている。
ゆりなはテキパキと運んでいた。
カウンターに和食の盆を載せてゆりなにテーブル番号を告げた滝野は由岐奈に気付いて微笑んだ。
──はっっ!私ったら!
由岐奈は、ペコリと頭を下げてから席に座った。
──ジッと見てたの、解っちゃったかなぁ…だって、カッコいいんだもん。
朝食を食べ終えるとゆりながお茶を運んできてくれた。
「兄からサービスです」
──えぇえええっ!
嬉しさと驚きで由岐奈は立ち上がるとカウンターに行った。
「あ、あのっ、お茶ありがとうございます」
「どういたしまして。ゆっくりしていってください」
──わあぁ…嬉しい♪口きいちゃった。
由岐奈はペコリと頭を下げてフラフラしながら席に戻って、一滴も残さず、お茶を飲み干した。
ゲームバーに泊まっていた客が一人、また一人と店を出て行った。
「ありがとうございました」
ゆりなが店を出て行く客一人一人に丁寧に声をかけて見送っている。
席を立って店内を見渡すと客は由岐奈一人だけだった。
──会社には、ちょっと早いけど、お店は閉まるし行かなくちゃ。
由岐奈は、もう一度席につくと、そそくさとバッグを持ってテーブルから離れかけた。
「由岐奈さん、会社、何時からです?近いんですか?」
ゆりなが声をかけてきた。
「九時から、なんです」
「遠いんですか?」
「このお店からなら歩いて四十分くらいです」
ゆりながタタッと小走りで由岐奈に近付くと手を握った。
「ええ~会社、めちゃめちゃ早く着いちゃうじゃないですか」
言いながら兄の顔を見て、
「ね、お兄ちゃん、」
滝野は妹に頷いて見せた。
「やった♪ね、由岐奈さん、良かったら、もう少し居てください」
「え、でも、お店閉めますよね…御迷惑じゃ…」
言いかける由岐奈の腕に自分の腕を巻きつけてゆりなはブンブンと勢いよく首を横に振った。
「大丈夫。由岐奈さんが良かったら、もう少しゆっくりしていって」
「うちは構わないですから」
滝野が微笑み、由岐奈は、もう少し居ることにした。
「じゃあ、スミマセン少しだけ」
「やったっ♪」
ゆりなが由岐奈の腕をグイグイ引っ張って夕べ仮眠した自分の部屋に連れていった。
