夏は嫌いだ。
暑いし、セミがけたたましく鳴いている。
何より嫌なのが、祭りなんかがあるときだ。みんな浮かれている。彼女とか彼氏とか好きな人を誘ったりとか。面倒くさい。そういう空気が。
ああもう、うるさいなぁ。
ていうか何でこんな事考えてるんだっけ。命の危機なのに。
⋯そうだ、先生を誘おうとしたんだ。今度ある花火大会に。
「先生、僕と花火見てくれるなら、死なないであげます」
「んー。まぁたまにならいいか」
⋯嬉しい。そうやってニカッて笑ってくれるところがいい。顔が火照る。
「朔空(さく)」先生の名前を呼ぶ。
「おい、朔空“先生”だ」
もういいから、そういうの。
今は、先生と生徒じゃなくて好きな者同士で居たい。
「眼鏡外してもらえますか」こういう事を言ってしまう僕はどうかしている。
先生の目が点になる。
「なんで?別にいいけど」
先生に一歩近づく。たったそれだけでも、先生の吐息を感じてしまうほど近かった。
頬に触れる。柔らかくて、白くて、壊してしまいそう。
「お前、何して⋯」抗議される前に、親指で先生の唇を塞ぐ。「綺麗だね。とても」
先生は黙ったまま。振り解くことも出来ただろうに、しないのは、解ってるからだ。
頭ではわかっていても、戸惑っている。
「助けてくださってありがとうございました。先生」たまらなく、愛おしい。
背伸びして、口付けた。マシュマロみたいな味がした。
暑いし、セミがけたたましく鳴いている。
何より嫌なのが、祭りなんかがあるときだ。みんな浮かれている。彼女とか彼氏とか好きな人を誘ったりとか。面倒くさい。そういう空気が。
ああもう、うるさいなぁ。
ていうか何でこんな事考えてるんだっけ。命の危機なのに。
⋯そうだ、先生を誘おうとしたんだ。今度ある花火大会に。
「先生、僕と花火見てくれるなら、死なないであげます」
「んー。まぁたまにならいいか」
⋯嬉しい。そうやってニカッて笑ってくれるところがいい。顔が火照る。
「朔空(さく)」先生の名前を呼ぶ。
「おい、朔空“先生”だ」
もういいから、そういうの。
今は、先生と生徒じゃなくて好きな者同士で居たい。
「眼鏡外してもらえますか」こういう事を言ってしまう僕はどうかしている。
先生の目が点になる。
「なんで?別にいいけど」
先生に一歩近づく。たったそれだけでも、先生の吐息を感じてしまうほど近かった。
頬に触れる。柔らかくて、白くて、壊してしまいそう。
「お前、何して⋯」抗議される前に、親指で先生の唇を塞ぐ。「綺麗だね。とても」
先生は黙ったまま。振り解くことも出来ただろうに、しないのは、解ってるからだ。
頭ではわかっていても、戸惑っている。
「助けてくださってありがとうございました。先生」たまらなく、愛おしい。
背伸びして、口付けた。マシュマロみたいな味がした。
