てっきり、今夜から同じ寝台で眠れるものと思っていたのに。

「私は? どこに寝るの?」

「俺の部屋の隣が空いているから、そこで寝泊まりしろとのことだった。」

「隣の部屋……?」

それって――

景文がふっと唇を引き結び、肩を竦める。

「絶対、忍び込めって言ってるようなものだよな。」

「え……!」

吹き出しそうになるのをこらえているのか、景文はクククッと喉を鳴らして笑った。

「俺が手を出さないようにって配慮のつもりだろうが、隣にお前がいるってだけで十分に拷問なんだが。」

「……そんなこと言われたら、ますます気まずいじゃないですか。」

「ふふ。でもな。」

不意に真面目な眼差しに変わって、彼は私の髪をそっと撫でた。

景文は私の髪をそっと撫でながら、優しく言った。

「そなたを一日も手放す気はない。だから待ってろ。俺が――忍び込むのを。」