「まさか……!」

「そこまでして、翠蘭妃様を……」

動揺と驚愕が入り混じる中、皇帝はしばらく沈黙していた。

やがて、ふっと小さく息をつき、景文を見下ろした。

皇帝は静かに立ち上がり、玉座の階段を一段だけ下りた。

重く荘厳なその動きに、大臣たちは一斉に頭を垂れる。

「……さすがは、文部大臣にまで昇った男だな。」

鋭い眼差しで景文を見下ろしながら、皇帝はそう言った。

景文は頭を下げ、静かに応えた。

「有難き幸せにございます。」

その声音に、一点の迷いもない。

すると皇帝は、ゆるりと片手を上げ、景文に近寄るよう促した。

「景文。そなたを……我が第四皇子と認める。」

その言葉が放たれた瞬間、玉座の間がざわめきに揺れた。

「だ、第四皇子⁉」

「まさか……本当にご落胤だったとは……!」

「皇帝陛下が、認めた……!」

景文は静かに立ち上がり、皇帝の御前へ進み出た。