結芽の記憶喪失のことから、1週間が過ぎた。
その間に毎日面会に言ったが記憶喪失後初めて出来た友達のようにしか認識されない。俺の中で1番大切な人が俺の事覚えてないなんて耐えられねぇよ

そして最近なんとなくだが微熱だったり急に頭痛くなったり身体中が悲鳴をあげてる気がする

このことを母に言ったら

「結芽のことのストレスだろうねお薬貰いに行こうか」

そして精神科に行き色々検査した結果血液検査で異常が見つかったらしい
俺自身まぁどこかしら異常あるんだろうとは思っていたから軽い気持ちで病状を聞きに行った母を見送り俺は結芽の所へ行った

ドアをノックし

「結芽~入るぞ〜」

「入ってくんな〜」

結芽のここは記憶喪失前と変わらないようなノリツッコミを聞き、病室に入ると

「え?」

本が山積みになっていた。本というか、アルバムかもしれない
知らぬ間につぶやきが漏れ

「何があったらこんなことに。。」

「ん〜とりあえずアルバムとか教科書色々見て記憶喪失前の記憶を思い出そうとしてるでも。」

「でも?」

「遥のことも、他のみんなのことも何にも思い出せない。ごめん」

地味に傷つくけど。結芽の方が悩んでこんなことなってるもんな

「いいよ。大丈夫、ゆっくり思い出せばいいよ」

「ありがとう」

結芽は良く感謝する子だ素直だそこは変わってなくて心底安心してる
突然病室の扉が開き母が入ってきて気づいた母の目が腫れてる俺に感じてなにかあったのかそれも泣くほどの

「遥、こっち来て」

「わかった。結芽また来るな」

「うん!」

そんな無邪気な子供らしい声を聞いて名残惜しいが病室を出ると医者から告げられたのは、『白血病』しかもかなり酷いらしい

「あ、あはは。なにかの冗談では?」

「いえ、残念ながら」

「遥は、治るんですよね。。?」

母の縋るような声が廊下に響くが医者の告げることは無情で淡白だ

「長くて余命1年と言った所でしょうか」

その瞬間母が崩れ落ち涙を流し始めた。

1年、1年あったら何ができるだろうか長いようでなんか短いけど1年ってどのくらいの感覚なんだろう
やばい全然分からない。

「理解が追いついてないようですね。私から助言させてもらうと。今のうちにやりたいことをやりなさい」

「……わかりました」

あまり理解が追いついてない俺はそう答えるので精一杯だった1年しかないのか1年もあるのかが全然わからない
母が帰ろっかと行った時にはすでにさっきまで明るかったはづの空が暗くなり始めていた
車に乗り考えてふと思い立ったことが

「死ぬまでの日記書こうかな、いつか結芽が思い出してくれた時のために」

母が一瞬悲しそうな顔をしたが

「いいんじゃない?書くもの買おっかそしてご飯いっぱい食べよ。」

「うん!」
俺が出せる精一杯の元気な声を出した

おなかいっぱいだな。ご飯たらふく食べたし。。
書くか。。

結芽俺が死ぬ前に俺と過したこと思い出して欲しいな、友達のまま死にたくねぇよ。

ーーーーーーー結芽へーーーーーーーーーーーーー