僕のレールは空に続く

採用試験の日。朝の駅ホームに立った蓮は、制服姿の車掌が静かに発車合図を送り出す姿を見ていた。凜とした指先、言葉に無駄のない動き。その佇まいに、自分が憧れた“仕事の美しさ”をあらためて感じていた。

会場では筆記試験が始まる。交通法規や安全管理、クレーム対応などの設問を見ながら、蓮は「正しい知識だけでなく、人の“気配”も感じ取れるようになりたい」と心の中でアナウンスするように呟いた。

終わった後、受験者たちが「難しかった!」と声を上げるなか、蓮は静かにノートを見直し、「このレールは僕をどこに運んでくれるだろう」と小さく微笑んだ。