僕のレールは空に続く

卒業制作テーマとして、蓮は「廃止予定の地方鉄道を記録するドキュメンタリー制作」を選ぶ。舞台は東北のある町——年間乗車数が減り、廃線が検討されている路線だった。

蓮は一人で現地へ赴き、駅舎の写真を撮り、駅ノートに残された言葉を読み、駅員に話を聞いた。「この駅にプロポーズしに来た人もいた。線路は“人生の節目”なんだよ」と語られたエピソードは、蓮の心を強く揺さぶる。

帰京後、蓮は映像編集に没頭し、「地方鉄道の記憶を未来へつなぐ」シリーズとしてSNSに発信。反響は想像以上で、「知らなかった!」「乗ってみたい!」というコメントが相次ぐ。

蓮は思った——“記録する”ことも、“運ぶ”ことのひとつなんだ。未来へ渡すために、今の声を拾う。それが「案内する者」としての使命の一つだと。