僕のレールは空に続く

夏休み。蓮は学校の「職業インタビュー課題」に取り組むため、JRの駅係員や地域鉄道の運転士、車掌OBにアポを取り、取材を重ねる。

一人目は地元の小さな駅で勤務する女性係員。「人は疲れて電車に乗る。案内は“気持ちを整える時間”にもなるのよ」と語る。 二人目は地方路線の運転士。「花が咲いてると、お客さんが笑う。“見える景色が違う”って、運転士として誇らしい瞬間だ」と話した。

蓮はその言葉を胸に刻みながら、インタビュー記録の中に新しいカテゴリを作った——《人と時間》《心の風景》《案内の温度》。

最後に訪れたのは、祖父の古い仲間である元車掌。「昔は時計を見ずに“お客さんの顔”を見て発車してた。人の息遣いが一番の時刻表だった」と語る。

蓮はその言葉に強く揺さぶられた。「車掌って、時間じゃなく“人間のリズム”を守る仕事なのかもしれない」と。