642gの死神

プロローグ
 今年も残す所あと一週間となった。
 世間では大掃除や新年の準備で慌ただしく日々が流れていく。会社などでは、門松などを出してより一層新年の雰囲気を醸し出している場所もある。
 季節の移り変わりが早く、テレビの早送りをボタンを押してる状態で過ごしているみたいだ。
 そんな私は、少し酸味のある温かいコーヒーを一口飲みまた読書に戻った。他の人は知らないが、コーヒーを飲みながら読書をすると集中力が上がるから不思議だ。
 冬は炬燵でミカンを食べるのが格別のように、私は暖かい部屋で読書を嗜む事が格別になる。
 年内にはこの本も読み切りたいと思い本の世界に入る私の耳には、時刻を刻む時計の針の音だけが聞こえる。
その音は、水面に一滴の滴を垂らし波紋のように広がっていき、気持ちの良いその音に心が穏やかになる。
 どのくらい集中していただろうか、時刻は丁度12時を指そうとしていた。集中力も切れてきたので、次に何か別の事をしようかと視線を彷徨わせてみる。これといってしたい事が思い浮かばないでいると、どこからともなくココアの声が聞こえてきた。