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7月に入り、本格的な暑さが地表を包んでいた。
スカイブルーに澄み渡る空で輝く太陽は焦げ付くのではないかと思うほど、アスファルトを焼いている。
私は勉学に励みながらも、中旬に行われる英語スピーチ大会の練習もこなしていた。
原稿を読んでもいいと言われているけれど、どうしても原稿に目を落とさずに登壇したかった。
放課後は男子バレー部の見学にも行っている。
インターハイ予選が終わり、何人かの3年生は引退してしまったらしいけれど主力メンバーは春高出場に向けて8月下旬に行われる一次予選に残ると聞いた。
蓮先輩もインターハイから春高出場へと目標を切り替えて練習に打ち込んでいる。
速見さんに蓮先輩は流星のバレーをしている姿と重なると言われたけれど、私には実感は伴わなかった。
流星のバレーボール選手としての姿を一度でも私が見たことがあれば私もそうなっただろう。
蓮先輩は蓮先輩だ。
ただ流星は蓮先輩と同じチームでバレーをしたかっただろうと胸が苦しく疼いた。
そして、今年も迎える7月7日の七夕。
流星の誕生日でもあり、命日は学校を休んだ。
去年は日曜日だったけど、2年前の中2の時も欠席した。
お墓参りに行くとか、流星を弔うとか特別なことを何かするわけではない。
この日だけは”何もしない”を選択していた。
日々怠らずに続けている勉強もピアノも、何もかもを一日だけ放棄する日。
お母さんも事情はわかっているから、学校を休むことを了承してくれていた。
流星の時間が途切れたあの日。
もう3年なのか、まだ3年なのか……。
どこにも流星は居なくなった。
なのに、どうしても流星に会いたい。
どうしようもなく流星に会いたい。
どうしたって流星に会えないのに……。
次に目を覚ました時は3年前の7月7日の朝に戻っていてほしいと。
今日一日だけでいいから、愚かにも願わせてほしい。
「明紗が昨日お休みだったから、つまんなかったー」
翌日、教室へ入るなり、私を抱きしめて歓迎してくれる柚乃。
柚乃からは6月の終わり頃、笹沼先輩と初めてキスをしたと打ち明けてもらっていた。
「明紗、体調が悪かったりする?」
「ううん。そういうのではない」
「そっか。昨日は珍しく久瀬先輩が部活を休んでた」
「そうなの?」
「うん。何か用事があるんだって。その分、昼休みにバレーの自主練してたよ。明紗もいなかったし」
部活に熱を入れている蓮先輩が部活を休んでまで優先させる用事。
流星の命日に関係していたりするのかもしれないし、ただの偶然かもしれない。
「もうすぐ高校に入って初めての夏休みだー」
今日も昼休憩をとるためにフリースペースに集った蓮先輩と笹沼先輩、柚乃と私。
柚乃の一言で夏休みの存在を思い出す。
「といっても、去年もそうだったけど、俺ら夏休みほぼ部活でつぶれる。部活の合宿もあるし東京都の一次予選もあるし。むしろ普通に学校ある時より過酷だよな、蓮」
「そうか。バレー優先出来て俺は嬉しいけど」
「出たよ。蓮のバレー馬鹿」
「馬鹿は余計だろ」
「ユズ夏祭りとか海とかバーベキューとかしたい!」
「全くできなくはないけど。柚乃、今年は俺と一緒に行こうか?」
「うん」
正面の笹沼先輩と柚乃から自然とにじみ出ている甘い空気。
二人の仲は着実に進展している。
「でも、ユズ4人でも遊びたい! 明紗の夏休みの予定は?」
7月に入り、本格的な暑さが地表を包んでいた。
スカイブルーに澄み渡る空で輝く太陽は焦げ付くのではないかと思うほど、アスファルトを焼いている。
私は勉学に励みながらも、中旬に行われる英語スピーチ大会の練習もこなしていた。
原稿を読んでもいいと言われているけれど、どうしても原稿に目を落とさずに登壇したかった。
放課後は男子バレー部の見学にも行っている。
インターハイ予選が終わり、何人かの3年生は引退してしまったらしいけれど主力メンバーは春高出場に向けて8月下旬に行われる一次予選に残ると聞いた。
蓮先輩もインターハイから春高出場へと目標を切り替えて練習に打ち込んでいる。
速見さんに蓮先輩は流星のバレーをしている姿と重なると言われたけれど、私には実感は伴わなかった。
流星のバレーボール選手としての姿を一度でも私が見たことがあれば私もそうなっただろう。
蓮先輩は蓮先輩だ。
ただ流星は蓮先輩と同じチームでバレーをしたかっただろうと胸が苦しく疼いた。
そして、今年も迎える7月7日の七夕。
流星の誕生日でもあり、命日は学校を休んだ。
去年は日曜日だったけど、2年前の中2の時も欠席した。
お墓参りに行くとか、流星を弔うとか特別なことを何かするわけではない。
この日だけは”何もしない”を選択していた。
日々怠らずに続けている勉強もピアノも、何もかもを一日だけ放棄する日。
お母さんも事情はわかっているから、学校を休むことを了承してくれていた。
流星の時間が途切れたあの日。
もう3年なのか、まだ3年なのか……。
どこにも流星は居なくなった。
なのに、どうしても流星に会いたい。
どうしようもなく流星に会いたい。
どうしたって流星に会えないのに……。
次に目を覚ました時は3年前の7月7日の朝に戻っていてほしいと。
今日一日だけでいいから、愚かにも願わせてほしい。
「明紗が昨日お休みだったから、つまんなかったー」
翌日、教室へ入るなり、私を抱きしめて歓迎してくれる柚乃。
柚乃からは6月の終わり頃、笹沼先輩と初めてキスをしたと打ち明けてもらっていた。
「明紗、体調が悪かったりする?」
「ううん。そういうのではない」
「そっか。昨日は珍しく久瀬先輩が部活を休んでた」
「そうなの?」
「うん。何か用事があるんだって。その分、昼休みにバレーの自主練してたよ。明紗もいなかったし」
部活に熱を入れている蓮先輩が部活を休んでまで優先させる用事。
流星の命日に関係していたりするのかもしれないし、ただの偶然かもしれない。
「もうすぐ高校に入って初めての夏休みだー」
今日も昼休憩をとるためにフリースペースに集った蓮先輩と笹沼先輩、柚乃と私。
柚乃の一言で夏休みの存在を思い出す。
「といっても、去年もそうだったけど、俺ら夏休みほぼ部活でつぶれる。部活の合宿もあるし東京都の一次予選もあるし。むしろ普通に学校ある時より過酷だよな、蓮」
「そうか。バレー優先出来て俺は嬉しいけど」
「出たよ。蓮のバレー馬鹿」
「馬鹿は余計だろ」
「ユズ夏祭りとか海とかバーベキューとかしたい!」
「全くできなくはないけど。柚乃、今年は俺と一緒に行こうか?」
「うん」
正面の笹沼先輩と柚乃から自然とにじみ出ている甘い空気。
二人の仲は着実に進展している。
「でも、ユズ4人でも遊びたい! 明紗の夏休みの予定は?」



