流れ星を追いかける君と、輝く夜明けに。

 速見さんの言っていたことはよくわかる。
 流星が生きていたら……
 流星がここにいたとしたら……
 どうしようもならないことを繰り返し考えてしまうことはやめられない。
 私があの時SL公園の話題を出さなかったら……。
 やめられないのに考えてしまう。
 希望はないと知りながら。
 誰も裁いてくれない罪悪感が血液となって全身を巡る。
 全身を巡って有刺鉄線のように私を締め付けた。

 「……りゅうせい……」

 太ももの上で握る両手に力をこめた。
 目頭が熱くなったのをぐっと堪える。
 今はどうしても三高の試合を見ていられなかった。
 どのくらい時間が経ったのだろう。
 最後の試合、三高はフルセットの(すえ)、負けてしまった。
 私が会場に戻った時は相手校がインターハイの切符を手に入れて観客席も選手たちも喜びを爆発させているところだった。
 対比するように茫然としている三高のコート上の面々と沈む応援席。
 残酷なほど対照的。
 これが勝敗がつくってこと。
 特にインターハイに行けるか行けないか明暗が分かれた大切な試合。
 蓮先輩は肩で大きく呼吸をしているのはわかったけれど、頭からタオルをかぶっていて表情まで確認できない。
 ショック……なんて言葉で片付けられないだろう。
 蓮先輩の心境を思うと、胸が苦しくなる。
 バレー部員はマイクロバスで帰校すると聞いていたから、私は泣いている柚乃と一緒に会場を後にした。

 「あと少しだったのに……」

 電車の中でも涙を流していた柚乃と別れ、自宅の最寄り駅で下車した。
 改札をくぐってから、ふと立ち止まる。
 学校に行ってみようか。
 蓮先輩が気にかかる。
 私は試合を全て観戦できていたわけじゃない。
 蓮先輩と流星に繋がりがあったことも気にかかる。
 でも、何より今の蓮先輩が心配で。
 別に私が蓮先輩に何かできるわけでもないのに……。
 駅の構内で立ったまま、逡巡していた私に着信が入る。
 画面を押そうとした指先が震えた。
 相手が今、頭の中を占めている蓮先輩だったから。

 「もしもし」
 『……明紗』

 私の名前を呼ぶ蓮先輩はいつになく気落ちした声だった。

 『体調悪かったって聞いた。大丈夫か?』

 柚乃から笹沼先輩経由で蓮先輩に伝わったんだろう。
 私が最後の試合を観ていなかったことに蓮先輩は気づいている?
 でも、今、蓮先輩は私の心配なんてしている心境ではないはずで。

 「もう平気です。少し休んでたら良くなりました」
 『なら良かった』

 何でこんなに蓮先輩は優しいんだろう。
 なんて蓮先輩に言葉をかけたらいいんだろう。
 私が何を言っても無責任になってしまう気がした。

 『──明紗。俺、今、学校に居る』
 「そうなんですか」
 『部活さっき解散になった』
 「はい」
 『このまま家に帰る気になれなくて』
 「……」
 『明紗に会いたい』