流れ星を追いかける君と、輝く夜明けに。

 40分ほどで中央委員会は終了した。
 特に私は発言が必要なわけでもなく、この場に私が参加している意味はよくわからなかったけど、先輩の姿を見て学んでほしいということなのだろう。
 張り詰めた空気で進んでいたせいか、解放された面々は伸びをしたり、雑談に興じたりしながら退室していく。

 「榊くーん。今から部活、頑張ってね」
 「バレー部。今度、河津(かわづ)中と練習試合あるんでしょ。応援に行くね」
 「うん。ありがとう。ばいばい」

 流星は帰宅していく各委員長の女子たちに愛想よく返事をして手を振りながら対応している。

 「あの、」

 私は帰ろうとしていた1年の学代男子の背中を思わず引き留めていた。

 「発表会のピアノ、褒めてくれて嬉しかった。ありがとう」

 普段は絶対に自分から男子に話しかけないのに、彼にお礼だけはちゃんと伝えたくなった。
 あの時は発表会に向けてピアノの練習を頑張ってたし、何より見た目以外のことを褒めてもらえたことがとても嬉しくて……。
 それに流星にみんなの前で必要以上にきつく叱られたのは私のせいでもあると思ったから。

 「本当に純粋に弓木さんすごいなって思ったから、伝えたいと思っただけ。また妹の発表会で弓木さんのピアノ聴けるのを楽しみにしてる。学代これから頑張ろうね」

 そう手を振って先に去っていく1年の学代男子。
 彼の目には濁りが全くなくて、何となくこれから何にも染まらないでほしいと思った。

 「明紗。いい加減、男を沼らせるのやめれる?」

 ほぼ退室してしまったからか、流星は私の傍にやってきた。
 沼が何なのかわからなかったけれど、何となく今は流星と正面から関わりたくなくて、通学用のリュックを背負って出入口に足を進める。

 「明ー紗。俺をバレー部の部室まで送ってってよ」

 雨のためかいつもより暗い廊下を早歩きで進む私にずっと着いてくるもう一つの足音。

 「明紗。何か怒ってる? 俺がうるさいって叱ったこと?」

 ずっと無視していても怯まない流星は私に喋りかけ続けている。

 「──それとも俺を意識しちゃった?」

 不意打ちで流星に手を握られて、無自覚に立ち止まって振り返った。
 放課後の廊下は他に人影なんて見当たらなくて、見上げた先にあった流星の顔が暗い分だけ妖しく見える。

 「明紗から手を握ってきたってことは、ここまでは許可が出てるってことでいいよね」

 流星と向かい合うような形で両手ともそれぞれ手を握られた。
 どことなく艶めかしく私の指に指を絡めながら流星は笑う。
 拒否すればいいのに、流星にされるがままにされている私。
 放課後で帰宅した生徒が多いからといって誰がいつ通るかなんてわからないのに……。

 「あの男の子、怖がってた」
 「ん?」
 「流星がうるさいって言ったから」
 「怖がらせるように言ったからね」
 「他にも喋ってる人いっぱいいた」
 「明紗と喋ってたのはアイツだけでしょ」

 私の指を指先でいじりながら、まるで意に介さない流星。