「……ふっ、はは!僕が誘っていたはずなのに、誘われてる?」

「私こそ驚きました。今までお話しした時、あなたは全く違うイメージでした。実はこんなにストレートな人だったんですね」

「そうだね、自分で言っておきながらちょっと驚いた。キャラが変わったかもしれない……」

「お互い様かもしれない」

「確かにね」

 彼は立ち上がると私の手をぎゅっと握った。

「行こうか」

 私は頷いて彼を見上げた。彼の眼鏡越しの目は優しく私を映している。

 夜が明ける頃には、私達は正真正銘恋人同士になっていた。


 fin.