その後ララを堪能した一行は、居眠りを始めた亜紀によって、帰る時間となった。
「明日は朝から来るからね!」
「俺もだ!」
等と要らない一言を添えていた。
はいはい・・・ご自由にどうぞ。
もう、どうにでもなれ。
翌日の朝には宣言通り俺の家に美幸と親父、そして亜紀が現れた。
親父は手に盆栽を携えていた。
やっぱりこうなったか・・全員期待の眼差しをして俺を見つめている。
さっそく連れ立って異世界に繋がる扉を潜った。
我先にと庭先に向かおうとしている親父。
「丈二、庭先を弄ってもいいよな?」
「俺は構わんが、この庭先は昨日も言ったが、ライゼルという専属の庭師が手入れしているからな」
「ほう、専属の庭師か・・・なるほど・・・」
思う処があるのか顎に手を当てて考えている親父。
「そろそろ現れると思うぞ」
「そうか・・・」
意味深に頷く親父。
そんな会話をしていると当の本人がやってきた。
「ようジョニー!おはようさん!」
いつの通りの食えない笑顔である。
「ライゼル、おはようさん」
親父を見つけると不思議そうに親父を見つめるライゼル。
「あれ?お客さんか?随分と早いな」
「いや、客ではない・・・俺の親父だ・・・」
なんとも気まずい・・・
眼を見開くライゼル。
「えっ!親父さん・・・もしかして盆栽の・・・」
興奮したライゼルがワナワナと震えだしていた。
「親父、こいつがさっき言ってた専属の庭師だ」
「ほう・・・お前がそうか」
値踏みする視線でライゼルを捉える親父。
「・・・」
緊張で今度は顔を引き攣っているライゼル。
「なるほどなあ・・・いい面構えをしている、だが、まだまだ甘いな」
「それは・・・」
「この庭先は華やかで色鮮やかだ、でもなあ・・・情緒がねえ・・・そうは思わねえか?丈二?」
何となく言いたいことは分かる。
でもそれは好みの問題だとも思えるのだが?
親父は日本庭園が好きだからなあ。
「実家の庭先とは毛並みが違うが・・・」
「よし!俺が造り替えてやる!いいなライゼル!」
「はい!俺にも手伝わせてください師匠!そして俺に盆栽を教えてください!」
「師匠ってか・・・いいじゃねえか・・・」
親父は満更でも無さそうだ、にやけているしね。
何となくこうなる気がしていたが・・・やれやれだな。
「ほれ!この盆栽はお前にくれてやる!」
親父の盆栽を受け取るとガッツポーズを決めるライゼル。
「ええっ!!!本当ですか?やったーーー!!!宝物にします!」
手を叩いて豪快に笑っている親父。
なんだかなあ・・・
「おうよ!いいか!ライゼル、盆栽ってのはな・・・心だ!そして宇宙だ!」
「はい!師匠!」
ここから親父の盆栽講座が始まった。
俺は相手にして居られないから朝食の準備に取り掛かった。
こうなると手が付けられない・・・
でもライゼルにとっては至福の時間なんだろうね。
美幸と亜紀はというと、ララと戯れて遊んでいた。
楽しそうで何よりである。
それにしても亜紀はララをペット扱いしている様子。
お手とでも言い出しそうだよ。
亜紀さんや・・・相手は伝説の聖獣さんですよ?
ここは面白そうだから他っておこうか。
ララはノリがいいからな、こちらも付き合う気満々ってか?
最近の朝飯のルーティーンである、ララ飯の準備をした。
もう全員ララ飯でいいだろう、簡単でいいよな。
器を取り出して、スープジャーから味噌汁を注いで、米を混ぜる、やることはこれだけだ。
今日の味噌汁も野菜増し増しで、豆腐とワカメも入っている。
ララの大好物だね。
しょうがないから庭先に二人を呼びにいった。
「おい!飯だぞ!いい加減にしろ!」
「おお!」
「はいよー!」
連れ立ってお店に入る。
ライゼルがララを見つけて跪くかと思いきや、美幸を見て固まってしまった。
美幸と亜紀はそんなライゼルを気にすることなく、ララと戯れている。
亜紀はララにお手を教えていた・・・やっぱりこうなったか。
亜紀さんや・・・ララに手は有りませんよ?・・・
ララは大人だなー、ちゃんと相手をしてあげている。
亜紀の手に翼を乗っけていた・・・
その様子を見て、美幸は複雑な表情を浮かべていた。
「美幸、亜紀、ララ、朝御飯を食べるぞ」
「はーい」
「分かったー」
(うん!)
ライゼルに気づく二人。
「あれ?お客さん?」
ハッと我を取り戻すライゼル。
「こいつは専属庭師のライゼルだ」
美幸に向かって、キザなまでの所作で膝を折るライゼル。
「ライゼルにて御座います。こちらの麗しき女性はどちら様で御座いましょうか?」
「はあー?何やってんだお前?」
ニヒルな笑顔で答えるライゼル。
「紳士としてご挨拶を・・・」
「馬鹿かお前?」
こいつ・・・まさかな・・・
満更でもない笑顔の美幸。
「私は美幸よ、丈二は私の兄よ」
「なっ!・・・」
俺に向かって口をあんぐりと開ける。
「ジョニーの妹さん?・・・」
「ええ、そうよ」
「そんな・・・」
「何がそんな何だよ!」
思わず全力でツッコんでしまった。
「に・・・似てない・・・」
「煩せえ!」
確かに俺と美幸はあまり似てはいない、それに美幸はそれなりに美人だ。
身内贔屓無しでもそう想える。
実際こいつは中学生の頃からモテてたからね。
それなりに言い寄る者達がいたな。
「私は亜紀だよ!」
亜紀が空気を読まずに名乗りをあげる。
「おっ、おう。亜紀ちゃんだな」
「亜紀は私の娘よ」
「娘さん・・・」
一瞬落ち込んだ表情を浮かべたライゼル。
「美幸はバツイチだ・・・」
「バツイチとは?」
「ああ・・・一人身ってことだ・・・」
「そういうことか・・・」
一転嬉しそうに顔を歪めるライゼル。
この野郎・・・美幸に一目惚れってか?
「もういいから飯にするぞ!亜紀も椅子に座りなさい」
「はあーい」
俺以外全員が椅子に腰かけた。
俺はカウンター内で立ち食いだ。
すると朝飯を頬張りつつも美幸をチラ見するライゼル。
美幸もその視線を感じているのだろう、満更でもない表情をしていた。
そんな事はお構いなくと親父が盆栽について語り出す。
「いいか、盆栽のコツはいくつかあるが、何と言っても針金だ」
「ほう?針金ですか?師匠・・・」
「そうだ、枝を優しく縛ってだな・・・」
親父の御託が始まった為、ライゼル以外の者達は朝食に集中し始めた。
こうなると親父は手が付けられない。
下手すると一時間以上は捕まるからな。
それを分かっている家族はひたすらここから避難する事を選択する。
親父の方を見向きもしない。
亜紀もそれを感じ取っているぐらいだ。
年寄りの長話はしつこい。
かまってなんていられないよ。
「それにしても、犬飯なんて何年ぶりなんだろう?」
「最近はララの影響でこればっかりだぞ」
「へえー、たまにはいいわね」
「ここでは犬飯とは呼ばないんだ、ララ飯と呼んでいる」
「ハハハ!ララ飯だって笑える!」
(えー!いいじゃん!僕気に入ってるんだからさー)
「そうなの?亜紀、ララ飯はどう?」
「美味しいよ!別々でもいいけど!」
(えー!これがいいんだよ亜紀ちゃん・・・)
「そうかなー?」
「まあ好みだな」
楽しい朝食の時間となった。
親父は仕事の為、出勤した。
亜紀も幼稚園に向かい、亜紀を送り終えた美幸だけお店に帰って来たのはちょうど朝礼の時間だった。
美容院メンバーとララ、そしてクロムウェルさんが参加している。
何故かこの時間が好きなララ。
ララ曰くお店のスタッフになった気になるらしい。
どうしてお店のスタッフになりたいんだと思ったものだよ。
今日の予約の確認をしていたところに裏口から美幸が入って来る。
「ただいまー」
お前の家では無いだろう?と思わずツッコみたくなるのをグッと堪える。
参加者一同が何が起こったのかと固まっていた。
それはそうだろう、これまでに裏口から入って来れたのは俺だけだからだ。
試しに一度シルビアちゃんで、裏口の扉を開ける事が出来るかどうかを確認した事があるが、開ける事は叶わなかった。
ドアノブすらも回せなかったよ。
その為、この裏口の扉は俺しか開けることは出来ない魔法がかかっている事になっていると説明をしてある。
なんでも都合が悪くなると魔法の所為にしている。
便利ですなあ、魔法だと言えばなるほどとなってしまうのだ。
もう嘘の罪悪感なんて微塵にも感じなくなっている。
美幸を見つけると、
(あー!美幸だ!)
嬉しそうに美幸の肩に乗っかるララ。
そんなララを愛おしそうに頬ずりする美幸。
シルビアちゃん達はいったい誰だと眉を顰めている。
「美幸!こっちに来てくれ!」
「はーい」
ララを肩に乗せたまま、呑気に歩み寄る美幸。
「皆、紹介するよ。俺の妹の美幸だ」
「はい?」
「妹さん?」
「嘘っそ!」
「妹さんなんですねえー」
驚きを隠さない一同。
「本当よ、兄貴共々よろしくね!」
そして自己紹介が始まった。
美幸は全員と握手を交わしていた。
随分フレンドリーだな。
スタッフ達の反応は様々だったが美幸の一言で雰囲気が一変した。
「準備が済んだら、このお店でネイルを始めるからね」
一際クリスタルちゃんが興奮しだした。
クリスタルちゃんはマニキュアに嵌っているからなあ。
シルビアちゃんやマリアンヌさんも嬉しそうにしている。
クロムウェルさんのみ、何の事やらと首を傾けていた。
やっぱりこうなったか・・・
だと思ったよ・・・
ネイル導入は異世界美容院『アンジェリ』にどんな変化を齎すのであろうか?
「明日は朝から来るからね!」
「俺もだ!」
等と要らない一言を添えていた。
はいはい・・・ご自由にどうぞ。
もう、どうにでもなれ。
翌日の朝には宣言通り俺の家に美幸と親父、そして亜紀が現れた。
親父は手に盆栽を携えていた。
やっぱりこうなったか・・全員期待の眼差しをして俺を見つめている。
さっそく連れ立って異世界に繋がる扉を潜った。
我先にと庭先に向かおうとしている親父。
「丈二、庭先を弄ってもいいよな?」
「俺は構わんが、この庭先は昨日も言ったが、ライゼルという専属の庭師が手入れしているからな」
「ほう、専属の庭師か・・・なるほど・・・」
思う処があるのか顎に手を当てて考えている親父。
「そろそろ現れると思うぞ」
「そうか・・・」
意味深に頷く親父。
そんな会話をしていると当の本人がやってきた。
「ようジョニー!おはようさん!」
いつの通りの食えない笑顔である。
「ライゼル、おはようさん」
親父を見つけると不思議そうに親父を見つめるライゼル。
「あれ?お客さんか?随分と早いな」
「いや、客ではない・・・俺の親父だ・・・」
なんとも気まずい・・・
眼を見開くライゼル。
「えっ!親父さん・・・もしかして盆栽の・・・」
興奮したライゼルがワナワナと震えだしていた。
「親父、こいつがさっき言ってた専属の庭師だ」
「ほう・・・お前がそうか」
値踏みする視線でライゼルを捉える親父。
「・・・」
緊張で今度は顔を引き攣っているライゼル。
「なるほどなあ・・・いい面構えをしている、だが、まだまだ甘いな」
「それは・・・」
「この庭先は華やかで色鮮やかだ、でもなあ・・・情緒がねえ・・・そうは思わねえか?丈二?」
何となく言いたいことは分かる。
でもそれは好みの問題だとも思えるのだが?
親父は日本庭園が好きだからなあ。
「実家の庭先とは毛並みが違うが・・・」
「よし!俺が造り替えてやる!いいなライゼル!」
「はい!俺にも手伝わせてください師匠!そして俺に盆栽を教えてください!」
「師匠ってか・・・いいじゃねえか・・・」
親父は満更でも無さそうだ、にやけているしね。
何となくこうなる気がしていたが・・・やれやれだな。
「ほれ!この盆栽はお前にくれてやる!」
親父の盆栽を受け取るとガッツポーズを決めるライゼル。
「ええっ!!!本当ですか?やったーーー!!!宝物にします!」
手を叩いて豪快に笑っている親父。
なんだかなあ・・・
「おうよ!いいか!ライゼル、盆栽ってのはな・・・心だ!そして宇宙だ!」
「はい!師匠!」
ここから親父の盆栽講座が始まった。
俺は相手にして居られないから朝食の準備に取り掛かった。
こうなると手が付けられない・・・
でもライゼルにとっては至福の時間なんだろうね。
美幸と亜紀はというと、ララと戯れて遊んでいた。
楽しそうで何よりである。
それにしても亜紀はララをペット扱いしている様子。
お手とでも言い出しそうだよ。
亜紀さんや・・・相手は伝説の聖獣さんですよ?
ここは面白そうだから他っておこうか。
ララはノリがいいからな、こちらも付き合う気満々ってか?
最近の朝飯のルーティーンである、ララ飯の準備をした。
もう全員ララ飯でいいだろう、簡単でいいよな。
器を取り出して、スープジャーから味噌汁を注いで、米を混ぜる、やることはこれだけだ。
今日の味噌汁も野菜増し増しで、豆腐とワカメも入っている。
ララの大好物だね。
しょうがないから庭先に二人を呼びにいった。
「おい!飯だぞ!いい加減にしろ!」
「おお!」
「はいよー!」
連れ立ってお店に入る。
ライゼルがララを見つけて跪くかと思いきや、美幸を見て固まってしまった。
美幸と亜紀はそんなライゼルを気にすることなく、ララと戯れている。
亜紀はララにお手を教えていた・・・やっぱりこうなったか。
亜紀さんや・・・ララに手は有りませんよ?・・・
ララは大人だなー、ちゃんと相手をしてあげている。
亜紀の手に翼を乗っけていた・・・
その様子を見て、美幸は複雑な表情を浮かべていた。
「美幸、亜紀、ララ、朝御飯を食べるぞ」
「はーい」
「分かったー」
(うん!)
ライゼルに気づく二人。
「あれ?お客さん?」
ハッと我を取り戻すライゼル。
「こいつは専属庭師のライゼルだ」
美幸に向かって、キザなまでの所作で膝を折るライゼル。
「ライゼルにて御座います。こちらの麗しき女性はどちら様で御座いましょうか?」
「はあー?何やってんだお前?」
ニヒルな笑顔で答えるライゼル。
「紳士としてご挨拶を・・・」
「馬鹿かお前?」
こいつ・・・まさかな・・・
満更でもない笑顔の美幸。
「私は美幸よ、丈二は私の兄よ」
「なっ!・・・」
俺に向かって口をあんぐりと開ける。
「ジョニーの妹さん?・・・」
「ええ、そうよ」
「そんな・・・」
「何がそんな何だよ!」
思わず全力でツッコんでしまった。
「に・・・似てない・・・」
「煩せえ!」
確かに俺と美幸はあまり似てはいない、それに美幸はそれなりに美人だ。
身内贔屓無しでもそう想える。
実際こいつは中学生の頃からモテてたからね。
それなりに言い寄る者達がいたな。
「私は亜紀だよ!」
亜紀が空気を読まずに名乗りをあげる。
「おっ、おう。亜紀ちゃんだな」
「亜紀は私の娘よ」
「娘さん・・・」
一瞬落ち込んだ表情を浮かべたライゼル。
「美幸はバツイチだ・・・」
「バツイチとは?」
「ああ・・・一人身ってことだ・・・」
「そういうことか・・・」
一転嬉しそうに顔を歪めるライゼル。
この野郎・・・美幸に一目惚れってか?
「もういいから飯にするぞ!亜紀も椅子に座りなさい」
「はあーい」
俺以外全員が椅子に腰かけた。
俺はカウンター内で立ち食いだ。
すると朝飯を頬張りつつも美幸をチラ見するライゼル。
美幸もその視線を感じているのだろう、満更でもない表情をしていた。
そんな事はお構いなくと親父が盆栽について語り出す。
「いいか、盆栽のコツはいくつかあるが、何と言っても針金だ」
「ほう?針金ですか?師匠・・・」
「そうだ、枝を優しく縛ってだな・・・」
親父の御託が始まった為、ライゼル以外の者達は朝食に集中し始めた。
こうなると親父は手が付けられない。
下手すると一時間以上は捕まるからな。
それを分かっている家族はひたすらここから避難する事を選択する。
親父の方を見向きもしない。
亜紀もそれを感じ取っているぐらいだ。
年寄りの長話はしつこい。
かまってなんていられないよ。
「それにしても、犬飯なんて何年ぶりなんだろう?」
「最近はララの影響でこればっかりだぞ」
「へえー、たまにはいいわね」
「ここでは犬飯とは呼ばないんだ、ララ飯と呼んでいる」
「ハハハ!ララ飯だって笑える!」
(えー!いいじゃん!僕気に入ってるんだからさー)
「そうなの?亜紀、ララ飯はどう?」
「美味しいよ!別々でもいいけど!」
(えー!これがいいんだよ亜紀ちゃん・・・)
「そうかなー?」
「まあ好みだな」
楽しい朝食の時間となった。
親父は仕事の為、出勤した。
亜紀も幼稚園に向かい、亜紀を送り終えた美幸だけお店に帰って来たのはちょうど朝礼の時間だった。
美容院メンバーとララ、そしてクロムウェルさんが参加している。
何故かこの時間が好きなララ。
ララ曰くお店のスタッフになった気になるらしい。
どうしてお店のスタッフになりたいんだと思ったものだよ。
今日の予約の確認をしていたところに裏口から美幸が入って来る。
「ただいまー」
お前の家では無いだろう?と思わずツッコみたくなるのをグッと堪える。
参加者一同が何が起こったのかと固まっていた。
それはそうだろう、これまでに裏口から入って来れたのは俺だけだからだ。
試しに一度シルビアちゃんで、裏口の扉を開ける事が出来るかどうかを確認した事があるが、開ける事は叶わなかった。
ドアノブすらも回せなかったよ。
その為、この裏口の扉は俺しか開けることは出来ない魔法がかかっている事になっていると説明をしてある。
なんでも都合が悪くなると魔法の所為にしている。
便利ですなあ、魔法だと言えばなるほどとなってしまうのだ。
もう嘘の罪悪感なんて微塵にも感じなくなっている。
美幸を見つけると、
(あー!美幸だ!)
嬉しそうに美幸の肩に乗っかるララ。
そんなララを愛おしそうに頬ずりする美幸。
シルビアちゃん達はいったい誰だと眉を顰めている。
「美幸!こっちに来てくれ!」
「はーい」
ララを肩に乗せたまま、呑気に歩み寄る美幸。
「皆、紹介するよ。俺の妹の美幸だ」
「はい?」
「妹さん?」
「嘘っそ!」
「妹さんなんですねえー」
驚きを隠さない一同。
「本当よ、兄貴共々よろしくね!」
そして自己紹介が始まった。
美幸は全員と握手を交わしていた。
随分フレンドリーだな。
スタッフ達の反応は様々だったが美幸の一言で雰囲気が一変した。
「準備が済んだら、このお店でネイルを始めるからね」
一際クリスタルちゃんが興奮しだした。
クリスタルちゃんはマニキュアに嵌っているからなあ。
シルビアちゃんやマリアンヌさんも嬉しそうにしている。
クロムウェルさんのみ、何の事やらと首を傾けていた。
やっぱりこうなったか・・・
だと思ったよ・・・
ネイル導入は異世界美容院『アンジェリ』にどんな変化を齎すのであろうか?

