やっとララが現れる予感がした。
朝からテンション爆上げだよ!
もう会えなくなってから二ヶ月が経っていた。
俺は居ても経ってもいられず、早々に準備をしてお店に入った。
やっとララに会えるぞ!!!やったーーー!!!
裏口からお店に入る、そして庭先を眺める。
よし!ライゼルは居ないな。
しめしめだ、邪魔者はいないなと。
ダッシュでお供え物を持参して、さっそく着付け室に入る。
お供え物を供えて、速攻で二礼二拍手一礼をする。
(今日も世界が平和でありますように・・・)
するとララが俺の肩に現れた。
ああ・・・嬉しい重みだ・・・
俺は早速ララを抱きしめた。
おおーーー!!!ララをチャーーーージ!!!
ララを全力でワシャワシャする。
(ちょっとー!ジョ兄!擽ったいよーーー!)
今度はララの匂いを胸いっぱいに吸い込む。
うーん、無味無臭。
でもいい!ララをチャーーーージ!!!
(ジョ兄!止めてよ!擽ったい!ああ・・・止めて・・・フファ・・・ハヒ・・・そこは・・・ハフ・・・)
俺はララを五分間に渡り堪能した。
ララは終始擽ったがっていたが、お構い無しだ。
(ギャハハハ!フハ!ッフハ!ギャハハ!ちょっと、っちょっと、止めてよ!)
涙ながらに訴えかけるララであったが、俺は手を緩めなかった。
流石に嫌がったララは、
(もう!本気で止めて!お願いだよ!!!)
本気で中止をお願いしていた。
ふう、今日はこれぐらいでいいか・・・それなりにララをチャージ出来たしな。
「ララチャージタイム終了!」
俺の正面でホバリングするララ。
(ララチャージタイムって何!本気で擽ったいんだけど!ジョ兄!やり過ぎだよ!もう!)
睨みつけてくるララ。
「ナハハハ!余は満足じゃ!ガハハハ!」
(もう・・・)
ララは諦めた様子。
「ララも満更ではないだろ?」
(・・・まあね)
「フフフ・・・」
(ねえ、そんな事よりも話があるんだけど?)
真顔になるララ。
「ん?どうした?」
ララチャージよりも大事な話なんてあるのか?
(フェアリーバードの身体に馴染むことが出来たんだけどね・・・)
「ほう」
(僕は只のララじゃあ、いられなくなっちゃったんだ)
「はい?」
どゆこと?
(フェアリーバードの使命を果たさないといけないんだよね)
「なるほど・・・」
聖獣としての使命が何かしらあるという事なんだな。
(フェアリーバードは平和の象徴、栄華と繁栄を見守る者なんだ)
「へえー、言い伝え通りなんだな」
(うん、それでね。ジョ兄にも手伝って欲しいんだ)
「はい?俺に何をやれってんだ?」
俺は只の美容師だぞ?
平和とか繁栄とか荷が重いのだが・・・
(うん、それはね・・・ごにょごにょごにょ・・・)
「ああ、それは実は俺も考えてた事だから大丈夫だろう」
(そうなの?やったー!)
嬉しそうにしているララ。
「任せとけ!既に髪結さんに関しては、地盤は固めてあるからな」
(ウフフ!)
「そういえば、ララは何かしたい事とかってあるのか?あっ!後で犬飯は持ってくるぞ」
(うん!食べる!・・・えっとね・・・やりたいことというより、先ずは世界に挨拶しないとね)
「やっぱりか・・・面倒な事にならないといいけど・・・」
絶対大事になるんだろうな・・・
あー・・・ヤダヤダ・・・
(大丈夫だよ、僕の威厳を見せるよ!)
威厳って・・・どんな?・・・
「そうか・・・とりあえず飯だな!」
(やったー!犬飯食べるーーー!!!)
さて、準備しましょうかね?
今日の味噌汁は、豆腐とワカメの味噌汁です。
俺も犬飯食べようかな?
数十年ぶりだよ。
営業準備を前にして美容院『アンジェリ』は大騒動となっていた。
最初にララに出会ったのはライゼルだった。
俺の肩に乗るララを見るや否や、跪いていた。
少々顔が綻んでいる。
「ララ様、お久しぶりで御座います、ご健勝そうでなによりで御座います。私は美容院『アンジェリ』の専属庭師のライゼルと申します、以後お見知りおきを」
ライゼルらしからぬ自己紹介をしていた。
腐っても元王族だな、やれば出来るじゃないか。
(ふむ、庭師ライゼルであるな。知っておるよ)
これまたララらしからぬ声音と口調だった。
低い声で厳格な響きの声だった。
威厳を見せるとはこういうことなのか?
俺は可愛らしいララが好きだな。
ていうか、二重人格者みたいだぞララ!大丈夫なのか?・・・
「はっ!ありがたき幸せ!」
(ライゼルや、面を上げよ)
「いえ!滅相も御座いません!」
ライゼルは恐縮している。
(そう堅くなるな、お前はジョ兄のマブダチであろう?であれば余とも友人であるな)
「えっ!・・・そ・・・そんな・・・ああ・・・もう・・・幸せです・・・死んでもいいかも・・・」
(馬鹿を言うでないわ、お前にはこのお店の庭先を守る使命があるであろうが)
「左様で御座いました!」
ここでやっとライゼルは視線を挙げた。
そしてララを見るとその存在感に圧倒されていた。
眼を見開いて、固まってしまっている。
(さて、続々と現れるようだな・・・)
ララの呟き通りに、シルビアちゃん、マリアンヌさん、クリスタルちゃんが続けて現れた。
全員ララを見るなり跪いていた。
ララは相当崇拝されている様子、全員に声を掛けていた。
皆が皆、嬉しさから涙を溢していた。
自分の事を知られているとは思っていなかったみたいだ。
俺は普通に天界から見ている事は知っていたが、そんな話はしていないからね。
スタッフ一同と挨拶を終えると、俺とララは犬飯を堪能した。
うん、久しぶりの犬飯だ。
それなりに美味しいな・・・今後も有かも・・・
てか、こんなに美味しかったのか・・・犬飯やるな・・・
そしてこっそりと抜け出したライゼルが国王と王妃、そして皇太子を連れて来ていた。
全くこいつは抜け目ないな・・・
まだ起き掛けなのだろう、皇太子に至っては寝ぐせがついていた。
とても恥ずかしそうにしている。
跪く国王を前にして、更に存在感が増すララ。
というより、ララさんよ。
ずっと俺の肩に乗っているつもりかい?
俺が跪かれている様で、少々擽ったいのだが・・・
(ダンバレー国の国王、王妃、そして皇太子だな)
「はっ!」
「左様で御座います!」
「はい!」
三人はワナワナと震えていた。
感動で涙を流している。
(ダンバレーの国王よ、ベルメゾン伯爵と共に各国の首脳陣を集める様に手配せよ、美容院『アンジェリ』の営業時間終了後に余から話がある、よいな?)
「はっ!仰せの儘に!」
ん?何の話をするんだ?
「ララ、どういうことだ?」
(僕から世界に伝える事があるんだよ)
「なるほど」
(ジョ兄も付き合って貰うよ)
「そうなのか?」
(うん!)
ていうか、いつのもララになってんじゃん・・・
俺はこっちの方が好きだな。
「分かった」
国王一同は戸惑いながら俺とララを交互に眺めていた。
知ってはいたのだろうが、実際に俺がララと親しそうにしている事が驚きなのだろう。
「さあ、営業時間を迎えそうだ、俺は忙しくなるがララはどうするんだ?」
(うん、一度天界に帰るよ)
「ちょっと待ってくれ、後少しだけ相手して欲しい者がいるんだけどいいか?」
流石に伯爵には会わせてあげないとね、伯爵にはなにかと頑張って貰っているからさ。
ある意味一番迷惑をかけている訳だし。
俺は伯爵に連絡を取った、方法は通信用の魔道具だ。
どうにも俺には使えないからシルビアちゃんにお願いした。
うーん、俺には魔力は無いみたいだ・・・残念・・・
数分後、血相を変えて伯爵一家がお店に飛び込んできた。
俺の肩に乗るララに眼を止めると、伯爵は膝から崩れ落ちる様に跪いていた。
マリアベルさんやマリアンジュちゃんも似た様なものだった。
そんな伯爵一家にララが話し掛ける。
(ベルメゾン伯爵一家であるな、余はララ、フェアリーバードである)
「「「はっ!」」」
(今後も余はこの領地にお世話になるつもりである、ジョ兄の事も引き続き宜しく頼むぞ)
「「「有難き!」」」
伯爵は肩を震わせていた。
ララって凄いな・・・こんなに崇拝されてるんだな・・・
俺の肩から離れて正面にホバリングするララ。
(じゃあ一度天界に帰るね)
「そうか、じゃあまた後でな」
(またねー)
ララは転移して天界に帰っていった。
突如として消えたララに、伯爵一家は口をポカンとしていた。
何処から噂を聞いたのか続々と人々が集まってきていた。
間違いなくライゼルだな・・・
あの野郎・・・いい加減にしろよな!
でもまあ、ララから友人だと言われれば有頂天になるわな。
しょうがないか・・・
今日もライルは緩々の警備をしていた。
いったい何人が潜り抜けてきたのやら。
あの野郎・・・本気でクビだ!クビ!
何度も伯爵には申し入れたがいい加減許せん!
いい加減にしろ!
伯爵が再度やって来た為、苦情を入れておいた。
人事異動をお願いします。
でも相手もあの手この手を使って、やってくるみたいだ。
ライル曰く、予約を入れに来た、店販商品を買いに来たと言われてしまっては、通さない訳にはいかないとのこと。
馬鹿が・・・真に受けるんじゃねえよ・・・何度もそう教えたよな!
そうじゃなくてさ、もっと見極めるとか出来ないものなのかねえ?
案外ちゃんと眼を見れば嘘か本当かは分かるものだぞ。
ちゃんとしろ!ライル!
そんな事はどうでもいいとして、ララの呼びかけに応じて、各国の首脳陣が一カ所に集まっていた。
全員が緊張の眼差しでこの後に訪れる時間に胸を躍らせていた事を、俺は安易に考えていた。
朝からテンション爆上げだよ!
もう会えなくなってから二ヶ月が経っていた。
俺は居ても経ってもいられず、早々に準備をしてお店に入った。
やっとララに会えるぞ!!!やったーーー!!!
裏口からお店に入る、そして庭先を眺める。
よし!ライゼルは居ないな。
しめしめだ、邪魔者はいないなと。
ダッシュでお供え物を持参して、さっそく着付け室に入る。
お供え物を供えて、速攻で二礼二拍手一礼をする。
(今日も世界が平和でありますように・・・)
するとララが俺の肩に現れた。
ああ・・・嬉しい重みだ・・・
俺は早速ララを抱きしめた。
おおーーー!!!ララをチャーーーージ!!!
ララを全力でワシャワシャする。
(ちょっとー!ジョ兄!擽ったいよーーー!)
今度はララの匂いを胸いっぱいに吸い込む。
うーん、無味無臭。
でもいい!ララをチャーーーージ!!!
(ジョ兄!止めてよ!擽ったい!ああ・・・止めて・・・フファ・・・ハヒ・・・そこは・・・ハフ・・・)
俺はララを五分間に渡り堪能した。
ララは終始擽ったがっていたが、お構い無しだ。
(ギャハハハ!フハ!ッフハ!ギャハハ!ちょっと、っちょっと、止めてよ!)
涙ながらに訴えかけるララであったが、俺は手を緩めなかった。
流石に嫌がったララは、
(もう!本気で止めて!お願いだよ!!!)
本気で中止をお願いしていた。
ふう、今日はこれぐらいでいいか・・・それなりにララをチャージ出来たしな。
「ララチャージタイム終了!」
俺の正面でホバリングするララ。
(ララチャージタイムって何!本気で擽ったいんだけど!ジョ兄!やり過ぎだよ!もう!)
睨みつけてくるララ。
「ナハハハ!余は満足じゃ!ガハハハ!」
(もう・・・)
ララは諦めた様子。
「ララも満更ではないだろ?」
(・・・まあね)
「フフフ・・・」
(ねえ、そんな事よりも話があるんだけど?)
真顔になるララ。
「ん?どうした?」
ララチャージよりも大事な話なんてあるのか?
(フェアリーバードの身体に馴染むことが出来たんだけどね・・・)
「ほう」
(僕は只のララじゃあ、いられなくなっちゃったんだ)
「はい?」
どゆこと?
(フェアリーバードの使命を果たさないといけないんだよね)
「なるほど・・・」
聖獣としての使命が何かしらあるという事なんだな。
(フェアリーバードは平和の象徴、栄華と繁栄を見守る者なんだ)
「へえー、言い伝え通りなんだな」
(うん、それでね。ジョ兄にも手伝って欲しいんだ)
「はい?俺に何をやれってんだ?」
俺は只の美容師だぞ?
平和とか繁栄とか荷が重いのだが・・・
(うん、それはね・・・ごにょごにょごにょ・・・)
「ああ、それは実は俺も考えてた事だから大丈夫だろう」
(そうなの?やったー!)
嬉しそうにしているララ。
「任せとけ!既に髪結さんに関しては、地盤は固めてあるからな」
(ウフフ!)
「そういえば、ララは何かしたい事とかってあるのか?あっ!後で犬飯は持ってくるぞ」
(うん!食べる!・・・えっとね・・・やりたいことというより、先ずは世界に挨拶しないとね)
「やっぱりか・・・面倒な事にならないといいけど・・・」
絶対大事になるんだろうな・・・
あー・・・ヤダヤダ・・・
(大丈夫だよ、僕の威厳を見せるよ!)
威厳って・・・どんな?・・・
「そうか・・・とりあえず飯だな!」
(やったー!犬飯食べるーーー!!!)
さて、準備しましょうかね?
今日の味噌汁は、豆腐とワカメの味噌汁です。
俺も犬飯食べようかな?
数十年ぶりだよ。
営業準備を前にして美容院『アンジェリ』は大騒動となっていた。
最初にララに出会ったのはライゼルだった。
俺の肩に乗るララを見るや否や、跪いていた。
少々顔が綻んでいる。
「ララ様、お久しぶりで御座います、ご健勝そうでなによりで御座います。私は美容院『アンジェリ』の専属庭師のライゼルと申します、以後お見知りおきを」
ライゼルらしからぬ自己紹介をしていた。
腐っても元王族だな、やれば出来るじゃないか。
(ふむ、庭師ライゼルであるな。知っておるよ)
これまたララらしからぬ声音と口調だった。
低い声で厳格な響きの声だった。
威厳を見せるとはこういうことなのか?
俺は可愛らしいララが好きだな。
ていうか、二重人格者みたいだぞララ!大丈夫なのか?・・・
「はっ!ありがたき幸せ!」
(ライゼルや、面を上げよ)
「いえ!滅相も御座いません!」
ライゼルは恐縮している。
(そう堅くなるな、お前はジョ兄のマブダチであろう?であれば余とも友人であるな)
「えっ!・・・そ・・・そんな・・・ああ・・・もう・・・幸せです・・・死んでもいいかも・・・」
(馬鹿を言うでないわ、お前にはこのお店の庭先を守る使命があるであろうが)
「左様で御座いました!」
ここでやっとライゼルは視線を挙げた。
そしてララを見るとその存在感に圧倒されていた。
眼を見開いて、固まってしまっている。
(さて、続々と現れるようだな・・・)
ララの呟き通りに、シルビアちゃん、マリアンヌさん、クリスタルちゃんが続けて現れた。
全員ララを見るなり跪いていた。
ララは相当崇拝されている様子、全員に声を掛けていた。
皆が皆、嬉しさから涙を溢していた。
自分の事を知られているとは思っていなかったみたいだ。
俺は普通に天界から見ている事は知っていたが、そんな話はしていないからね。
スタッフ一同と挨拶を終えると、俺とララは犬飯を堪能した。
うん、久しぶりの犬飯だ。
それなりに美味しいな・・・今後も有かも・・・
てか、こんなに美味しかったのか・・・犬飯やるな・・・
そしてこっそりと抜け出したライゼルが国王と王妃、そして皇太子を連れて来ていた。
全くこいつは抜け目ないな・・・
まだ起き掛けなのだろう、皇太子に至っては寝ぐせがついていた。
とても恥ずかしそうにしている。
跪く国王を前にして、更に存在感が増すララ。
というより、ララさんよ。
ずっと俺の肩に乗っているつもりかい?
俺が跪かれている様で、少々擽ったいのだが・・・
(ダンバレー国の国王、王妃、そして皇太子だな)
「はっ!」
「左様で御座います!」
「はい!」
三人はワナワナと震えていた。
感動で涙を流している。
(ダンバレーの国王よ、ベルメゾン伯爵と共に各国の首脳陣を集める様に手配せよ、美容院『アンジェリ』の営業時間終了後に余から話がある、よいな?)
「はっ!仰せの儘に!」
ん?何の話をするんだ?
「ララ、どういうことだ?」
(僕から世界に伝える事があるんだよ)
「なるほど」
(ジョ兄も付き合って貰うよ)
「そうなのか?」
(うん!)
ていうか、いつのもララになってんじゃん・・・
俺はこっちの方が好きだな。
「分かった」
国王一同は戸惑いながら俺とララを交互に眺めていた。
知ってはいたのだろうが、実際に俺がララと親しそうにしている事が驚きなのだろう。
「さあ、営業時間を迎えそうだ、俺は忙しくなるがララはどうするんだ?」
(うん、一度天界に帰るよ)
「ちょっと待ってくれ、後少しだけ相手して欲しい者がいるんだけどいいか?」
流石に伯爵には会わせてあげないとね、伯爵にはなにかと頑張って貰っているからさ。
ある意味一番迷惑をかけている訳だし。
俺は伯爵に連絡を取った、方法は通信用の魔道具だ。
どうにも俺には使えないからシルビアちゃんにお願いした。
うーん、俺には魔力は無いみたいだ・・・残念・・・
数分後、血相を変えて伯爵一家がお店に飛び込んできた。
俺の肩に乗るララに眼を止めると、伯爵は膝から崩れ落ちる様に跪いていた。
マリアベルさんやマリアンジュちゃんも似た様なものだった。
そんな伯爵一家にララが話し掛ける。
(ベルメゾン伯爵一家であるな、余はララ、フェアリーバードである)
「「「はっ!」」」
(今後も余はこの領地にお世話になるつもりである、ジョ兄の事も引き続き宜しく頼むぞ)
「「「有難き!」」」
伯爵は肩を震わせていた。
ララって凄いな・・・こんなに崇拝されてるんだな・・・
俺の肩から離れて正面にホバリングするララ。
(じゃあ一度天界に帰るね)
「そうか、じゃあまた後でな」
(またねー)
ララは転移して天界に帰っていった。
突如として消えたララに、伯爵一家は口をポカンとしていた。
何処から噂を聞いたのか続々と人々が集まってきていた。
間違いなくライゼルだな・・・
あの野郎・・・いい加減にしろよな!
でもまあ、ララから友人だと言われれば有頂天になるわな。
しょうがないか・・・
今日もライルは緩々の警備をしていた。
いったい何人が潜り抜けてきたのやら。
あの野郎・・・本気でクビだ!クビ!
何度も伯爵には申し入れたがいい加減許せん!
いい加減にしろ!
伯爵が再度やって来た為、苦情を入れておいた。
人事異動をお願いします。
でも相手もあの手この手を使って、やってくるみたいだ。
ライル曰く、予約を入れに来た、店販商品を買いに来たと言われてしまっては、通さない訳にはいかないとのこと。
馬鹿が・・・真に受けるんじゃねえよ・・・何度もそう教えたよな!
そうじゃなくてさ、もっと見極めるとか出来ないものなのかねえ?
案外ちゃんと眼を見れば嘘か本当かは分かるものだぞ。
ちゃんとしろ!ライル!
そんな事はどうでもいいとして、ララの呼びかけに応じて、各国の首脳陣が一カ所に集まっていた。
全員が緊張の眼差しでこの後に訪れる時間に胸を躍らせていた事を、俺は安易に考えていた。

