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「お会計、二千四百円っす」
「え……?」
午前四時過ぎ。
先輩が消えてしまった。目の前で、スーッといなくなった。しばらく実感がわかなかったけれど、始発の時間が迫り、カラオケから出ることにした。
受付で請求された金額は、一人分のフリータイム料金。先輩と一緒に来たけれど、店員さんには見えてなかったんだ。
今思い返すと、店員さんとのやりとりはおかしいところがあった。
電子決済で会計を済ませ、外に出たけれどまだ暗い。
『お前が生きる為に、神様が許してくれたんだ』
亡くなった人の声が、本来なら届くはずがない。それなのに、私に届いた。
それなら、私がすることはたった一つ。
この先の未来を生きる為に、会社を辞めよう。
そう決意し、私はコンビニで封筒と便箋を購入して自宅の最寄駅へ向かう始発の電車に乗り込んだ。
