***
週明け、月曜日の放課後。
テニス部で体験入部を始めた陽葵と教室で別れ、ゆっくりとグラウンド横の坂道を進んでいく。
一週間前に足を進めたときよりも鼓動がうるさい。グラウンドから聞こえるかけ声が遠ざかっていき、目的地が見えてくる。
「すみません」
稽古部屋には誰もおらず、『演劇部へようこそ』と書かれた部屋のドアをノックする。中からは楽しそうな話し声が聞こえてくるが、ノックが聞こえていないのか返事はない。
ドアを開けていいのか戸惑い、もう一度ノックしようと腕を上げたそのとき――
「もしかして、体験入部?」
ドアに手がぶつかる直前、背後から話しかけられる。振り返ると、一週間前、私をここまで連れてきた高瀬先輩が立っていた。
「――っ! はい、体験入部したくて」
「君、えっと……芽依だよね! 来てくれて嬉しいよ」
ドアを開けた彼の後ろで立ち尽くしていると、部室内に入るように促される。
「新入生。体験入部だって!」
「浅川芽依です。体験入部、よろしくお願いします」
室内にいた全員の視線がこちらへ向き、自己紹介をして頭を下げる。
「ようこそ〜!!」
緊張を誤魔化しながら頭を上げれば、目を細めて笑い歓迎してくれる人しかいなかった。体験入部に来たのは私で二人目らしく、みんなが口を揃えて嬉しいと言う。
窓から射し込む陽の光は眩しくて、それがなぜか嬉しくて、私はこの光景を目に焼きつけるように見つめた。
週明け、月曜日の放課後。
テニス部で体験入部を始めた陽葵と教室で別れ、ゆっくりとグラウンド横の坂道を進んでいく。
一週間前に足を進めたときよりも鼓動がうるさい。グラウンドから聞こえるかけ声が遠ざかっていき、目的地が見えてくる。
「すみません」
稽古部屋には誰もおらず、『演劇部へようこそ』と書かれた部屋のドアをノックする。中からは楽しそうな話し声が聞こえてくるが、ノックが聞こえていないのか返事はない。
ドアを開けていいのか戸惑い、もう一度ノックしようと腕を上げたそのとき――
「もしかして、体験入部?」
ドアに手がぶつかる直前、背後から話しかけられる。振り返ると、一週間前、私をここまで連れてきた高瀬先輩が立っていた。
「――っ! はい、体験入部したくて」
「君、えっと……芽依だよね! 来てくれて嬉しいよ」
ドアを開けた彼の後ろで立ち尽くしていると、部室内に入るように促される。
「新入生。体験入部だって!」
「浅川芽依です。体験入部、よろしくお願いします」
室内にいた全員の視線がこちらへ向き、自己紹介をして頭を下げる。
「ようこそ〜!!」
緊張を誤魔化しながら頭を上げれば、目を細めて笑い歓迎してくれる人しかいなかった。体験入部に来たのは私で二人目らしく、みんなが口を揃えて嬉しいと言う。
窓から射し込む陽の光は眩しくて、それがなぜか嬉しくて、私はこの光景を目に焼きつけるように見つめた。


