「うふふ、あんたたち。そんなに仲良しで、楽しそうで、いいなぁ?」

嫉の風露が黒い花の花弁を撒き散らす。

「うっ……精神汚染系か!」

直人が前に出て蓮を庇う。

「俺の珠、舐めんなよ!悌陣・鉄壁律環!」

盾のように霊気が張り巡らされ、蓮を守る。

蓮がその隙に手印を結び、礼の珠を輝かせる。

「散影・光連翔!」

無数の幻影が走り、敵の視界をかく乱する。

「こっちは連携で勝つんだよ」

だが恐の風露が、虚空から影を放つ。

「私は、影を具現化する。恐れの形そのものよ」

直人の背後から己自身の恐怖が襲いかかる。

「くっ……!」

「直人! お前なら、乗り越えられる!」

蓮の叫びに、悌の珠が共鳴。

「そうだよな。仲間の声が届いてる限り、俺の心は折れねぇ!」

直人の拳が恐の幻影を打ち砕く。

「終わらせよう、蓮!」

「双連穿破!」

拳と手裏剣が同時に風露の心臓を貫き、三体目を撃破した。