黒炎を纏った風露が地を駆ける。

「怒の私は、破壊しか望まないッ!」

「来い……義の剣は退かない!」

蒼真の剣が義の珠の白光をまとい、風露の爪撃を受け止める。

「剣速上昇。蒼真、右!」

千龍の考の珠が戦場の挙動を読み、指示を飛ばす。

「斬ッ!」

風露の左肩を蒼真の刃が裂く。だが、傷口から黒煙が立ち、即座に修復される。

「修復型だ、まともに削れねぇ……!」

「なら、精神への揺さぶりを」

白夜が信の珠を掲げ、祈りのような波動を放つ。

「神言律波!」

光の文様が風露たちを包み、動きが鈍る。

「信念は、欲望を断ち切る……!」

「やるじゃない」

〈哀〉の風露が涙を流しながら囁く。

「でもそれでも、止まらないの。私は、捨てられた感情の墓標だから」

哀・怒・欲の三体が融合を始める。

「来るぞ!」

「喰い合って、一つの怨塊に!」

そこへ、蒼真の珠が閃いた。

「なら、こっちも合力で応える!」

千龍の〈考〉が陣を描き、白夜の〈信〉が中心を結び、蒼真の〈義〉が貫いた。

「三珠合斬・断滅連刃!」

三人の剣閃が同時に敵を両断。融合体が悲鳴を上げながら、崩れ落ちた。

「一体撃破!」