風露が口元を歪めて笑った。

「これが、私たち。因果の器へと至るための試金石よ」

その言葉と同時に、六体の風露が闇から歩み出る。どれもが本体と寸分違わぬ姿、だが宿す気配が微妙に異なる。

美咲が警告を飛ばす。

「気をつけて! それぞれが異なる感情の欠片、分霊じゃない。これは並行した意識!」

玲音がすぐさま戦略を立てる。

「本体含め七体。奴らは一斉に動く。単独じゃ持たない、三手に分かれて同時攻略!」

千龍が頷く。

「俺と蒼真、白夜で第一陣! 攻撃主体で切り崩す!」

「了解!」

「先に潰すぞ!」

「俺は蓮、直人と第二陣! 支援と防御で足止めを狙う」

「任せろ!」

「殴り込みは得意分野だぜ!」

「残る本体は、玲音、景臣、そして俺が叩く。式神たちはそれぞれ連携支援を!」

美咲の号令に、全員が応じて動き出した。

八珠、展開。それぞれの因が、いま重なり合い、陣を成す。