白火が炎をまとい、大空から燃える羽を振り落とす。
炎の波が怨将の一体を包み込んだが、黒き霊気がそれを押し返す。
「普通の霊ではありません。この力、結界を逆流して強化されています」
炎夜が顔を曇らせた。
華蓮が地面を蹴り、怨将の元へ突撃。
岩を砕くような一撃を放つが、怨将の刃が返すように切り上げる。
「通らない……!」
そのとき、蒼真が叫ぶ。
「珠が、光ってる……!」
〈義の珠〉が白く輝き、蒼真の剣がその光を帯びた。
彼が再び突撃し、怨将の一体を切り裂いた時——。
「通った……! 珠の力が、奴らの怨気を断つ!」
玲音、千龍、景臣らもそれぞれの珠を手に取り、戦いに加わる。
〈智の珠〉を持つ玲音が敵の動きを読み、〈仁の珠〉を持つ景臣が一撃を引きつける。
千龍の〈考の珠〉が、瞬時に戦局を計算し、敵の布陣に穴を見つけ出す。
「今! 右の二体、隙がある!」
千龍が叫ぶ。
そこへ、香夜が滑るように移動し、怨将の足元へ巻き付く。
奏夜が霊力の波を流し込み、怨将の動きを封じる。
「いける……!」
千龍と蒼真が同時に突撃し、二体の怨将を同時に討ち果たした。
残るは二体。
だがその瞬間、森全体がぐらりと揺れた。
「ッ……なんだ……⁉」
藤雅が辺りを警戒する。
怨将の一体が、体を爆ぜるように霊気を放出した。
その中心には、歪んだ“目”が浮かび上がる。
「この気配……封地と繋がってる……」
美咲が顔を強張らせる。
「これは、ただの怨将じゃない。“第九の因”が、動き始めてる」
玲音が低く呟く。
「まだだ、こんなものじゃ終わらない」
風が凪ぎ、霊気が薄れたとき、怨将たちは崩れ落ちるように霧散した。
勝利はした。
だがそれは、ほんの入り口に過ぎなかった。
「先へ進みましょう。このままじゃ、封地そのものが……喰われる」
美咲の声が、かすかに震えていた。
八犬士たちは頷き、珠を握りしめながら歩みを再開する。
そして、阿古夜たち式神もまた、静かにその後を追った。
炎の波が怨将の一体を包み込んだが、黒き霊気がそれを押し返す。
「普通の霊ではありません。この力、結界を逆流して強化されています」
炎夜が顔を曇らせた。
華蓮が地面を蹴り、怨将の元へ突撃。
岩を砕くような一撃を放つが、怨将の刃が返すように切り上げる。
「通らない……!」
そのとき、蒼真が叫ぶ。
「珠が、光ってる……!」
〈義の珠〉が白く輝き、蒼真の剣がその光を帯びた。
彼が再び突撃し、怨将の一体を切り裂いた時——。
「通った……! 珠の力が、奴らの怨気を断つ!」
玲音、千龍、景臣らもそれぞれの珠を手に取り、戦いに加わる。
〈智の珠〉を持つ玲音が敵の動きを読み、〈仁の珠〉を持つ景臣が一撃を引きつける。
千龍の〈考の珠〉が、瞬時に戦局を計算し、敵の布陣に穴を見つけ出す。
「今! 右の二体、隙がある!」
千龍が叫ぶ。
そこへ、香夜が滑るように移動し、怨将の足元へ巻き付く。
奏夜が霊力の波を流し込み、怨将の動きを封じる。
「いける……!」
千龍と蒼真が同時に突撃し、二体の怨将を同時に討ち果たした。
残るは二体。
だがその瞬間、森全体がぐらりと揺れた。
「ッ……なんだ……⁉」
藤雅が辺りを警戒する。
怨将の一体が、体を爆ぜるように霊気を放出した。
その中心には、歪んだ“目”が浮かび上がる。
「この気配……封地と繋がってる……」
美咲が顔を強張らせる。
「これは、ただの怨将じゃない。“第九の因”が、動き始めてる」
玲音が低く呟く。
「まだだ、こんなものじゃ終わらない」
風が凪ぎ、霊気が薄れたとき、怨将たちは崩れ落ちるように霧散した。
勝利はした。
だがそれは、ほんの入り口に過ぎなかった。
「先へ進みましょう。このままじゃ、封地そのものが……喰われる」
美咲の声が、かすかに震えていた。
八犬士たちは頷き、珠を握りしめながら歩みを再開する。
そして、阿古夜たち式神もまた、静かにその後を追った。


