そうだよね。
みっちゃんが信用していな人と一緒に住むなんてありえない。
 
優しいみっちゃん。
大好きなみっちゃん。
いつも私の事を一番に考えてくれるみっちゃん。
 
そんなみっちゃんが私を困らせるわけない――と自分に言い聞かせてみるものの、気持ちに言葉が追いつかなかった。
 
唯一の味方である家族を疑ってしまうなんて……。
 
悔しさでこぼれた涙を隠すため、頭を抱える。

「ごめんなさい……」
「大丈夫、急がなくていい。ゆっくりでいいんだよ」
「……」
 
お父さんの言葉に頷くが、優しすぎる対応が余計に罪悪感を増幅させた。
どんどん自分が惨めになり、体が丸くなって行く。
早く一人にして欲しいと思っていると、どこからともなく雷のような音が響き渡った。

窓の外を確認する。
天気は良好。
風も無ければ雨も降っていない。
お父さんはクスクスと笑いながらテーブルの上のおにぎりを眺めていた。

「とりあえず一緒に夕飯を食べようか」

あ……。

雷だと思っていたのはお父さんのお腹の音だった。
ご飯と言う単語を聞いたせいか、私のお腹もぐるぐると鳴る。

「うん……」

私は素直に頷いた。



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