悪党だらけの乙女ゲームに転生したけど、×亡しすぎて残機が足りない!(溺愛もあるよ★)

 ガルーのキスは情熱的だった。
 唇から厚い舌が強引に捻じ込まれ、私の舌に絡みついてゆく。
 生温かい唾液が潤滑剤みたいに流し込まれて舌が弄ばれる。

 逞しい体(特に雄っぱい)に包まれるみたいにキスされる。
 そして私は……。

(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおぉおおおおお! やばい! 気持ちいいわコレ!)

 抵抗すら出来ない、完全制圧してくるようなキス!
 キスを終え、私が蕩けた顔で目をくるくる回していると、凄まじい殺気を感じた。

 殺気の方向を見てみると……。

 紅龍様が拳を震わせて立っていた!

 せや! 嫉妬の化身・紅龍様がおったんや!

 ガルーがブッ殺される!!!! と気づいた私は走り出す紅龍様の前に大の字で阻止する。
 しかしガルーも紅龍様に向けて駆け出すので、私はガルーの首にブラ下がってナマケモノみたいなポーズでガルーを阻止しつつ、紅龍様に話しかけた。

「待ってください! 紅龍様! とガルー!」

 しかしそれは紅龍様の怒りの炎にガソリンぶっこむようなものだった。

「お前の本命の男は、そいつか! なら殺す! お前の目の前で、何よりも残酷な死を与えてやる!」

 紅龍様が額に血管を浮かべたままガルーを指さすので、私はナマケモノポーズのまま首を振った。

「ノン! 私の最推しは濡れ透け最高な紅龍様です! そこは揺るぎません!」
「濡れ透……!? なら何故だ!」

 紅龍様は怒りで血管ブチ切れそうになりながら問いかける。
 ここで付け焼刃の言い訳をしたら私まで処されそうなので、大声で叫んだ。

「最推しは紅龍様ですけど、ガルーもサングレもアリアも茨鬼君も珠天先生も、全員大事なんですもーん!」
「!?」
 驚く紅龍様に私はガルーにくっついたまま、ブランブラン揺れて訴える。(ガルーの体幹の耐久性の凄さ)

「マフィアクターでの推しは紅龍様ですけど、生身のガルーらと関わっている内に、どんどん好きになっちゃったんですもん! そんな人達から好き好き言われて断われる女がいるなら、教えてくださいよ! もう好き! 全員好き! 抱いてやるよ全員!(ヤケクソ)」

 そこで私はガルーから飛び降りて(ナマケモノ中にパンツ見えてたけど気にしない!)紅龍様に叫んだ。

「ていうか、紅龍様くらいの男なら『殺してやるキィイイ!』じゃなくて『俺様に何度でも惚れさせてやる……フッ』て堂々と構えていてくださいよ! 貴方、かっこいいんですから!!! 私の最高の推しで好きピなんですから! ぴえぇえええええんん! 好きー! ウガァアアアア!!」

 逆ギレをかましてしまった。
 紅龍様は怒りのあまりなのか呆れなのか無表情になってるし、サングレやアリアが私を守ろうと走り出す。
 それよりも早く、紅龍様の手が伸びてきて私の腕を掴んだ!

 そして抱き寄せ、キスをしてきた。

 え?

 食いしばっていた歯列を舌でイヤらしくなぞられる。くすぐったさに思わず口を開けると、待ってましたといわんばかりに紅龍様の熱くて柔らかい舌が入り込む。
 紅龍様は舌とは思えないくらいに細かい動きで私の舌を絡めとり、体がビクビクする程に蹂躙してくる。
 更に紅龍様は腰をすりつけるようなイヤらしい動きで抱き寄せてくるんですけども! 私の尻を掴んで!

(うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! エロい! エロすぎる!)

 キスだけで女を昇天させちゃうような動き!
 私は腰砕けになって座り込みかけたところを紅龍様に抱き上げられた。(お姫様抱っこー!?)
 そして耳元で囁かれる。

「私にそれだけの口を利く女は、お前だけだ。今夜は私の全てでお前を愛してやろう」

 何やて工藤!?

 突然のムーンライト展開に私が狼狽えると、背後からガルーが紅龍様の肩を掴む。

「そいつは渡さねぇ。オレが惚れた、たった一人の女だ」

 ガ、ガルー!(キュン)
 やばい! 紅龍様に抱かれてるのに、キュンときちゃった!

 しかし眼前ではサングレが、ぴえんぴえん泣きだした。

「うわぁぁああああん! しすたぁがガルーくんたちとキスしたぁぁあああ! ずーるーいー! ぼくもするー!」

 ショックのあまり幼児返りしとるやないかい!

 アリアは「キス……? 舌とか入れるのか……? 何故……?」と童貞力を発揮しているし!
 アンタ本当に18禁ゲームの登場人物か!!

 結局、紅龍様はガルーらに四方八方から止められて

「うるせぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」

 と結局いつもの師弟殺し合いになってしまった!

 どうでもいいけど、私の存在、忘れられてません!?

 そんなわけで、結局紅龍様が皆をボッコボコにして疲れたことで、R18展開は阻止されてしまったのだった。くそ!! なんだこの茶番!!