悪党だらけの乙女ゲームに転生したけど、×亡しすぎて残機が足りない!(溺愛もあるよ★)

「その後、どうでしたか~?」

教会でシャドウボクシングをしていた私の元に、サングレがやってきた。
私はシャドボを止めてサングレに向き直りつつ、タオルで汗を拭く。

「ありがとー! サングレの作戦と、ガルーの雄っぱいで何とかなったわ! サンキュー! 39!」
「それは良かっ……え? ガルーの雄っぱい???」

サングレが事態を理解できていないようなので詳細を説明してあげた。
と、途端にプリプリ怒りだす。

「何ですかそれ! 俺のアドバイスはオマケで、真の活躍はガルーの雄っぱいだったってコトじゃないですか!」
「何でそうなるのよ!」
「ガルーの雄っぱいの下りの描写だけ異様に文字数が多かったんですよ!」
「すまない……本当にすまない……(イケボ)」
「低音イケボで言っても誤魔化されませんよ! 大体、胸板なら俺だってガルーに負けてませんし!」

何の勝負してるんだとおもったけど、そうしてるとタイミング悪くガルーがやってきた。
ガルーが片手をあげて「よう」と近づいてきたけど、そのガルーにサングレも近づく。
間に居た私、無情にも二人に挟まれる形で頭上でバトルが始まった。
サングレが口撃を開始する。

「ガルー! ちょっと巨乳だからって偉そうにしないでくださいね!」
「何言ってんだ手前……」

めんどくさそうに答えるガルーにサングレが、ぐぐっと近づく。
私は二人の胸板に挟まれた状態で身動きがとれないまま、口論が続く。
ガルーのむちむち雄っぱいと、サングレの鍛え抜かれた爽やか雄っぱいに頬肉が当たって痛い!

「俺だってガルーより鍛えてますから! ガルーみたいにだらしない胸してないんで!」
「意味わかんねぇ」
「シスターの役に立ったとか思って調子のってそうですけど、もともと俺のが先でしたからね!」
「……うるせぇから、ブン殴っていいか?」

その前に私をオセロするんじゃない!! 

と何とか二人の雄っぱいバンプから脱出したものの、サングレはガルーにケンカを売るし、ガルーはサングレを殴って黙らせようと拳をバキバキ鳴らしだすしで、一触即発の現場になってしまった。
責任は私にあるので、慌てて止める。

「ちょっとちょっと待ちなさいよ! サングレの提案が無ければわからなかったことだったっていうのに、誰の手柄とか無いでしょ!」
「でもぉ~……」
サングレがしょんぼりする。

それからサングレがぽつりと呟いた。
「俺だって、シスターにうっとりしてもらいたいです……」

どうやら私がガルーの胸板に見惚れていたと思っているようだけど(そうだけど)ここは慰める意味合いをこめてサングレの肩をポンした。

「馬鹿ね~! 貴方達は大事な養い子なんだから、そんな胸板とかデュフ雄っぱいとかデュフフに興奮するわけないじゃない~フヒヒヒヒ」
「本音が笑いに出てますよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

サングレが乙女みたいなポーズでキレだした。
だって仕方ないやん! 28歳のむちむち筋肉お兄さん(超男前)が雄っぱいポロンして、興奮しない女がいると思うんか!? いるとしたらショタコンぐらいやろが!! と私が逆ギレする。
サングレは「ガルーがシスターを誑かすから!」と八つ当たりを始め、ガルーは本格的にサングレを殴ろうと身構えている。

そんな時だった。

「ディディ」

胸に響く重低音。
振り返ると、教会の入り口に紅龍様が立っていた。

「紅龍様!」

私が目をハートにして駆け寄ると、紅龍様は「じゃあ、マユコ殺すからヨー」と言ってくる! 
殺戮! ストップ!!

「その件についてはご報告が……」