「白夜の成長を共に見守り、この世界に命の意味を刻もう」

雪白は微かに涙をぬぐいながら、白夜の寝顔を見つめた。

「あなたは小さな光。でも、その光がやがて冥の闇を照らす大きな灯火になる」


胸の中の決意が、静かな炎となって燃え上がる。突然、白夜が小さな手を伸ばし、雪白の指を掴んだ。

その温かさに、雪白は言葉を失う。


「まま……」


白夜の初めての言葉は、冥の朝に響く祝福の歌のようだった。

夜叉丸は雪白の肩に手を添え、静かに誓った。


「お前の選んだ命だ。俺は何度でも、命を賭けて守ろう」


静かに立ち上がった夜叉丸は、空を見上げる。

薄紅に染まった空が、ゆっくりと輝きを増していく。


「冥の朝が来た」


雪白もまた立ち上がり、白夜を抱きしめた。

三人の未来はまだ始まったばかり。

その胸には、たぎるような生命の鼓動が確かに響いていた。