「この地に新しい朝をもたらすことができるのは、お前だけだ」


雪白は白夜の髪を撫でながら、その瞳を夜叉丸に向けた。


「でも、私一人の力じゃない。あなたと、そして白夜の命があってこそ」


胸の中に、彼らへの愛と感謝があふれ出す。

遠く冥火の灯が明るくなり、朝靄の中にひときわ鮮やかな輝きを放つ。

その光景に雪白は息を飲んだ。


「まるで……冥が祝福しているみたい」


夜叉丸も微笑みを浮かべる。


「これから、数えきれぬ困難が待ち受けているだろう。しかし、その全てを乗り越える価値がある」


彼の視線は確かな希望に満ちていた。