「白夜は“禍の王”となる因子を持つ。冥と神の均衡を壊す存在だ。お前らが動かなければ、神界が裁く」


雪白は一歩前に出た。


「ならば、私が選ぶ」


「何だと?」神稚の声が震える。


「この子を禍にするか祝福にするか、母である私が決める」


彼女の額に冥火が灯り、足元から冥の力が溢れ出す。


「白夜の未来を、私は祝福で満たす。誰にもそれを否定させはしない」


瞳の奥に揺るぎない光が宿った。

夜叉丸は彼女を見つめ、静かに頷く。
 

「その意思があれば、冥は応える」