雷鳴が冥華殿の天井を引き裂いた。
夜叉丸は激痛に耐えながらも、白夜を守ることを最優先とした。
雪白は震える手で白夜を抱きしめ、涙が頬を伝った。
「あなたが、命の盾……」
夜叉丸の体は焦げ付き、痛みの波にのまれそうになる。
だがその瞳は、ただひとつ――白夜を守り抜く意志で満ちていた。
「俺は冥の王だ。命を守るために命を賭ける。それが俺の役目だ」
雪白は彼の腕の中で震えながらも、心からの感謝と愛情を伝えた。
「ありがとう……夜叉丸」
夜叉丸は微笑み、力尽きることなく立ち上がった。
その姿は、冥の民に希望をもたらし、暗闇の中にひとすじの光を照らした。



