雪白が我が子を守ろうと飛び出した瞬間、影が現れた。
夜叉丸が雷を受け止め、その身を盾にしたのだ。
 

「冥王の命、ここに応ずる!」


雷が夜叉丸を焼き、黒い火花が散る。だが彼は倒れなかった。


「俺の子に、誰一人手を出させはしない」


その背に立つ王の姿に、冥の民は静かに頭を垂れた。