新暦制定の知らせが冥界に広がる中、ある日、冥界の空に黒雲が広がり、そこから白き衣を纏った男が現れた。
神の使者、神稚――。
彼の瞳は冷たく澄み切り、冥の地を見下ろすその視線には厳しい審判の光が宿っていた。
夜叉丸の謁見の間。
「冥王よ。神の理を侵す者とその血――白夜に、我らからの裁きが下る」
神稚の声は冷たく硬かった。
「白夜は冥と神の融合たる存在にして、“禍”そのものである。神界は彼を封印し、天へ還さねばならぬ」
雪白の顔が青ざめ、体が強張った。
「……白夜を……?」
神稚は薄く笑みを浮かべる。
「冥に命を宿すこと自体、理に反する。白夜が成長すれば冥界の秩序は崩れ、死の姿は保てぬ。今こそ禍つ子の禊を行う」
夜叉丸の拳が震えた。



