幽監の間にて、霞は過去の記憶を辿りながら、決意を新たにする。
「私はただ、姉様のように愛されたいだけだった」
涙を拭いながらも、闇の中で囁く。
「だが、私の未来はここにある。冥の闇を浄化し、新たな光をもたらすために」
霞は胸に手を当て、静かに誓う。
「もう一度、あの姉様と向き合う日が来るなら、その時は……」
冥華殿の夜明け。
雪白の腹は大きく膨らみ、胎動はますます強くなっていた。
「命は、確かにここにある」
彼女は静かに微笑み、冥の未来を思い描く。
「この子が生まれたら、冥がもっとあたたかな場所になりますように」
夜叉丸はその手を取り、優しく口づける。
「共に歩もう、冥の未来へ」



