◆ ◆ ◆ 一方、冥華殿の寝所。 雪白は深い眠りの中で、胎内の命を感じ取っていた。 (この子がいる限り、私は強くなれる) 痛みや恐怖を超え、母としての決意が揺るぎなく胸に宿る。 夜叉丸もまた、王として、父としての責務を胸に刻んでいた。 「この子を、冥と神の間の橋渡しにしよう」 彼の言葉には覚悟がにじんでいた。