「……では、誓おう」

 「……?」

 「“冥の婚礼”だ。正式に、契りを結ぶ。誰の目にも明らかな、“唯一の妃”として、迎えよう」


 雪白の目に、涙が溢れる。



 「……はい。私を、冥の花嫁として……迎えてください」


 彼女の唇に、夜叉丸の口づけが落ちる。
 誰にも邪魔されない、冥だけが知る夜に咲く、深く静かな誓いだった――。