「わたくしは、加護のない娘として生まれ、疎まれ、蔑まれてきました。けれどそれは、私が“無力”だったからではない。……誰にも、私の価値が見えていなかっただけ。ですが、冥の君が、それを教えてくださったのです。私が“咲く”場所を、見つけてくれた」


 白銀の光が舞い、空を照らす。


 「だから私は、誰に否定されようとも、ここに咲く。冥の姫として、冥の花として、咲き誇ると誓います」


 その瞬間、社殿に集う人々――神の巫女たちや、現世の貴族たちの間から、ざわりとした声が広がった。