「最早五箇条だし、俺と三国は何を許されるんですか、それ」
「付き合ってるっていう状態は許可する。つかあぶねーな、三国、6月までラブホの意味知らなかったからな。知らないまま雲雀と付き合ってたらマジで連れ込まれて終わってたな」
「え、三国ちゃんマジ。俺が手取り足取り腰取り教えてあげよっか」
「人の彼女にちょっかい出さないでください」
「カノジョ! 雲雀が三国ちゃんのことをカノジョ呼ばわり!」
「呼ばわりつったって事実だし」
「ほーら雲雀、口開けな。先輩が炭をあーんしてあげよう」
「……この話やめませんか」
桜井くんの話もとんでもなかったけれど、派生した話もそれはそれでとんでもない。今の私は頭から湯気が出ていてもおかしくない。膝の上で両手を握りしめ、嵐が過ぎるのを耐えるがごとくじっと話が終わるのを待っていると「三国が真っ赤だ、やめよう」パンパンと群青の良心の蛍さんが手を叩いてくれた。
「話題を変える。この間、芳喜が1年特別科の女子を泣かせた件について」
「俺をやり玉にあげるのやめてくださいよ。あ、泣かせてないんだよ。勝手に泣いただけ」
口先では嫌がりつつ、私の代わりに犠牲になるつもりはあってくれるのか、能勢さんは私のリアクションを確認しながら勝手に続きを口にしてくれた。でもその続く内容がクズすぎて感謝そっちのけで唖然としてしまった。というか、能勢さんが投下した爆弾を能勢さんが責任を持って撤去しただけなのでマッチポンプのようなものだ。騙されかけてしまった。
「今度は何して泣かせた? いや何したかは分かってんだよな、なんで泣くヤツと泣かないヤツがいんの?」
「そこは完全に個人の問題なんですよ。俺はちゃんと最初に話してるんですよ、あくまで俺達の関係は何でもないからって。でも理解しない子がいるんですよね」
「三国、お前は聞かなくていい。肉食え」
頭の上に疑問符を浮かべていると一番席の遠い蛍さんからお皿にお肉を入れられた。そのくらい聞かないほうがいい話らしい。
「理解しない子がいるんですよねったって、お前が悪いだろ」
「悪くないですよ。俺は最初から説明してるし、それでいいって相手も言ってるわけで。後になって喚かれて話が違うと言いたいのはこっち」
「ねー、三国ちゃんどう思う? こういうのどう思う?」
「な……なにが……?」
「聞かなくていいつってんだろ三国、お前は黙って肉食ってろ」
「だからさあ、お互い遊びって割り切ろうねつったってこの顔だったら大体本気になるわけじゃん? そんで飽きたらポイして1回や2回ヤッたくらいで彼女面すんなって言って泣かせてるわけよ」
「……?」
「聞かせんなつってんだろ」
「イッテ! 聞かせんなとは言ってねーだろ!」
「オイ雲雀」
九十三先輩をトングの柄で殴った後、蛍さんはカチカチとそのままトングを鳴らす。
「三国のこの有様、俺らは知ってんだからな。三国が何かを覚えたそれすなわちお前が教え込んだものであることは明らかだ。その場合『群青の健全なる異性交遊に関する三箇条』を破ったものとしてお前の小指を切って焼く」
「……絶対九十三先輩とか能勢さんが吹き込んで俺を嵌めるやつじゃないですか」
「九十三か芳喜が教え込んだと証明できた場合はお前を許す」
「できるわけないでしょそんなこと。てか三箇条じゃなくなってますよね」
「んじゃ十箇条にしてやるからテメェの部屋の扉にでも貼っときな」
「また増えたしそんな修行僧じゃないんだから……」
「付き合ってるっていう状態は許可する。つかあぶねーな、三国、6月までラブホの意味知らなかったからな。知らないまま雲雀と付き合ってたらマジで連れ込まれて終わってたな」
「え、三国ちゃんマジ。俺が手取り足取り腰取り教えてあげよっか」
「人の彼女にちょっかい出さないでください」
「カノジョ! 雲雀が三国ちゃんのことをカノジョ呼ばわり!」
「呼ばわりつったって事実だし」
「ほーら雲雀、口開けな。先輩が炭をあーんしてあげよう」
「……この話やめませんか」
桜井くんの話もとんでもなかったけれど、派生した話もそれはそれでとんでもない。今の私は頭から湯気が出ていてもおかしくない。膝の上で両手を握りしめ、嵐が過ぎるのを耐えるがごとくじっと話が終わるのを待っていると「三国が真っ赤だ、やめよう」パンパンと群青の良心の蛍さんが手を叩いてくれた。
「話題を変える。この間、芳喜が1年特別科の女子を泣かせた件について」
「俺をやり玉にあげるのやめてくださいよ。あ、泣かせてないんだよ。勝手に泣いただけ」
口先では嫌がりつつ、私の代わりに犠牲になるつもりはあってくれるのか、能勢さんは私のリアクションを確認しながら勝手に続きを口にしてくれた。でもその続く内容がクズすぎて感謝そっちのけで唖然としてしまった。というか、能勢さんが投下した爆弾を能勢さんが責任を持って撤去しただけなのでマッチポンプのようなものだ。騙されかけてしまった。
「今度は何して泣かせた? いや何したかは分かってんだよな、なんで泣くヤツと泣かないヤツがいんの?」
「そこは完全に個人の問題なんですよ。俺はちゃんと最初に話してるんですよ、あくまで俺達の関係は何でもないからって。でも理解しない子がいるんですよね」
「三国、お前は聞かなくていい。肉食え」
頭の上に疑問符を浮かべていると一番席の遠い蛍さんからお皿にお肉を入れられた。そのくらい聞かないほうがいい話らしい。
「理解しない子がいるんですよねったって、お前が悪いだろ」
「悪くないですよ。俺は最初から説明してるし、それでいいって相手も言ってるわけで。後になって喚かれて話が違うと言いたいのはこっち」
「ねー、三国ちゃんどう思う? こういうのどう思う?」
「な……なにが……?」
「聞かなくていいつってんだろ三国、お前は黙って肉食ってろ」
「だからさあ、お互い遊びって割り切ろうねつったってこの顔だったら大体本気になるわけじゃん? そんで飽きたらポイして1回や2回ヤッたくらいで彼女面すんなって言って泣かせてるわけよ」
「……?」
「聞かせんなつってんだろ」
「イッテ! 聞かせんなとは言ってねーだろ!」
「オイ雲雀」
九十三先輩をトングの柄で殴った後、蛍さんはカチカチとそのままトングを鳴らす。
「三国のこの有様、俺らは知ってんだからな。三国が何かを覚えたそれすなわちお前が教え込んだものであることは明らかだ。その場合『群青の健全なる異性交遊に関する三箇条』を破ったものとしてお前の小指を切って焼く」
「……絶対九十三先輩とか能勢さんが吹き込んで俺を嵌めるやつじゃないですか」
「九十三か芳喜が教え込んだと証明できた場合はお前を許す」
「できるわけないでしょそんなこと。てか三箇条じゃなくなってますよね」
「んじゃ十箇条にしてやるからテメェの部屋の扉にでも貼っときな」
「また増えたしそんな修行僧じゃないんだから……」



