「いやだからァー男だらけの集会なんてむさくるしいからァー三国ちゃんを連れて行こうと思ってェー」
「3年生だけで集会なんてこともあるんですね」
その雲雀くんの問いかけには、組織に所属している以上はちゃんとルールに従おうなんて真面目な意識が見える気がした。インテリヤンキーはやっぱり根っこがインテリだ。
蛍さんは九十三先輩をズルズルと引きずりながら私達のほうへやってきて、ヤンキーさながら(いやヤンキーなのだけれど)ドカッとさっきまで九十三先輩が座っていた椅子に腰かける。
「まあな。お前にも言っといていいっちゃいんだけど」
「なんか隠し事?」
「お前は敬語使えつってんだろ、何回言わせんだ」蛍さんは諦めたような声で桜井くんを注意してから「ちょっときな臭い動きがあってな、深緋に」
その一言で、新庄の顔がフラッシュバックした。しかもその写真の背景は古びた倉庫の天井、つまり私の上に跨る新庄だ。
ぶるっと背中が震えたのを隠すように、膝の上で拳を握った。下手をすれば、目の前のこの人があの新庄と組んでいる可能性がある……。
「ま、深緋と群青は仲悪いですもんね。きな臭いつったら群青に仕掛けてくんのかなって気はしますけど」
「わー、雲雀くん鋭いなー。俺の代わりに集会に出て──」
「テメェが出ろつってんだろ」
「でも深緋のことなら俺達にも関係あるんじゃないの? なんで3年だけ?」
「メンツだよ、メンツ。まだ探ってる段階だから、新入りは大人しくしとけ」
探り段階にあることと3年生のメンツを保つことは綺麗に筋が通る話ではないのだが……。
なにか、私達に知られたくない話……? そっと疑念を深める私の横で、九十三先輩は床にあぐらをかく。
「でもさー、ぶっちゃけ昴夜と雲雀くらいはいてくれたほうがよくない? 見つかってガチンコみたいになったら使えるヤツはいたほうがいいし」
「見つかってって、偵察でもすんですか」
「そんな大層なことはしないけど。うろつく場所をちょっと選ぶくらいかなあ」
「夜遊びはほどほどにしとけって話だよ。あんまり派手に遊んでると危ねーぞ」
はーあ、と蛍さんは椅子の上に胡坐をかき、そのまま肘をついた。蛍さんはよくそのコンパクトな格好をしている。
「お前ら、どうせ夏祭り行くんだろ」
「え、三国ちゃん行くの? 俺も俺も。浴衣?」
「テメェは補習だろ」
「くっそ働きたくないなんて理由で受験組にすんじゃなかったマジで! てかどうせお前ら揃って行くんだろ? 胡桃ちゃんも一緒?」
「いや胡桃は来ないって」
パタパタと桜井くんが手を横に振れば、蛍さんが眉を吊り上げた。牧落さんがまさか桜井くんを夏祭りに誘わないわけがないと思ったのだろう。
「なんだ、喧嘩でもしたのか」
「ちーがうよ。もしかして行く気ある? って聞いたらクラスの友達で行くって言うから」
「聞き方からしておかしいだろ、なんだよもしかしてって」
「もともとこっちは三国の友達入れて4人の予定だったんですよ」
言いながら、雲雀くんは陽菜を指さした。蛍さんと九十三先輩を筆頭に群青の3年生の視線が一斉に向いたので、さすがの陽菜も一瞬たじろぎ、「あ、どうも……」と軽く頭を下げた。
「で、牧落のことだからどうせ昴夜に声かけてくんだろうし、そうなったら5人もいて邪魔くさいじゃないすか。だから牧落は昴夜に押し付けようかなって思ってたんですけど」
「3年生だけで集会なんてこともあるんですね」
その雲雀くんの問いかけには、組織に所属している以上はちゃんとルールに従おうなんて真面目な意識が見える気がした。インテリヤンキーはやっぱり根っこがインテリだ。
蛍さんは九十三先輩をズルズルと引きずりながら私達のほうへやってきて、ヤンキーさながら(いやヤンキーなのだけれど)ドカッとさっきまで九十三先輩が座っていた椅子に腰かける。
「まあな。お前にも言っといていいっちゃいんだけど」
「なんか隠し事?」
「お前は敬語使えつってんだろ、何回言わせんだ」蛍さんは諦めたような声で桜井くんを注意してから「ちょっときな臭い動きがあってな、深緋に」
その一言で、新庄の顔がフラッシュバックした。しかもその写真の背景は古びた倉庫の天井、つまり私の上に跨る新庄だ。
ぶるっと背中が震えたのを隠すように、膝の上で拳を握った。下手をすれば、目の前のこの人があの新庄と組んでいる可能性がある……。
「ま、深緋と群青は仲悪いですもんね。きな臭いつったら群青に仕掛けてくんのかなって気はしますけど」
「わー、雲雀くん鋭いなー。俺の代わりに集会に出て──」
「テメェが出ろつってんだろ」
「でも深緋のことなら俺達にも関係あるんじゃないの? なんで3年だけ?」
「メンツだよ、メンツ。まだ探ってる段階だから、新入りは大人しくしとけ」
探り段階にあることと3年生のメンツを保つことは綺麗に筋が通る話ではないのだが……。
なにか、私達に知られたくない話……? そっと疑念を深める私の横で、九十三先輩は床にあぐらをかく。
「でもさー、ぶっちゃけ昴夜と雲雀くらいはいてくれたほうがよくない? 見つかってガチンコみたいになったら使えるヤツはいたほうがいいし」
「見つかってって、偵察でもすんですか」
「そんな大層なことはしないけど。うろつく場所をちょっと選ぶくらいかなあ」
「夜遊びはほどほどにしとけって話だよ。あんまり派手に遊んでると危ねーぞ」
はーあ、と蛍さんは椅子の上に胡坐をかき、そのまま肘をついた。蛍さんはよくそのコンパクトな格好をしている。
「お前ら、どうせ夏祭り行くんだろ」
「え、三国ちゃん行くの? 俺も俺も。浴衣?」
「テメェは補習だろ」
「くっそ働きたくないなんて理由で受験組にすんじゃなかったマジで! てかどうせお前ら揃って行くんだろ? 胡桃ちゃんも一緒?」
「いや胡桃は来ないって」
パタパタと桜井くんが手を横に振れば、蛍さんが眉を吊り上げた。牧落さんがまさか桜井くんを夏祭りに誘わないわけがないと思ったのだろう。
「なんだ、喧嘩でもしたのか」
「ちーがうよ。もしかして行く気ある? って聞いたらクラスの友達で行くって言うから」
「聞き方からしておかしいだろ、なんだよもしかしてって」
「もともとこっちは三国の友達入れて4人の予定だったんですよ」
言いながら、雲雀くんは陽菜を指さした。蛍さんと九十三先輩を筆頭に群青の3年生の視線が一斉に向いたので、さすがの陽菜も一瞬たじろぎ、「あ、どうも……」と軽く頭を下げた。
「で、牧落のことだからどうせ昴夜に声かけてくんだろうし、そうなったら5人もいて邪魔くさいじゃないすか。だから牧落は昴夜に押し付けようかなって思ってたんですけど」



