「葵、またあの夢を見たのか?」
葵は神殿の客間で、焔夜の膝に寄りかかり、うつむいた。
「うん…美桜姉様の声とか、継母の冷たい目が…まだ胸に残ってる」
焔夜は葵の髪を優しく撫で、静かに言った。
「汝の心の傷は、時間が癒す。だが、知っておけ。汝はもう、あの過去に縛られていない。私の花嫁として、この国を照らす存在だ」
葵は焔夜の赤い瞳を見つめ、涙をこらえた。
「焔夜様…あなたがいてくれるから、私、強くなれた。ありがとう」
焔夜は葵の手を取り、そっと額に唇を寄せた。
「汝が笑うなら、私は神でなくともいい。葵、愛してる」
葵の頬が熱くなり、彼女は焔夜の胸に抱きついた。
「私も…愛してる、焔夜様」



