桜の神子、愛に咲く




神殿の奥、桜ノ神の聖域で、葵は一人、桜の木の下に立っていた。彼女は木にそっと手を触れ、祈りを捧げる。


「焔夜様、この国を、皆を幸せにできるように……力をください」


 その瞬間、桜の花びらが舞い、焔夜が現れた。
 彼の神官装束は朝日に輝き、まるで神話の存在そのものだった。だが、葵を見つめる瞳は、優しさと熱を帯びていた。


「葵、よくやった。汝は私の誇りだ」


 焔夜は葵に近づき、彼女の手を取った。その手は冷たく、だが力強く、葵の心を落ち着かせた。
 葵は頬を染め、呟く。


「私…まだ信じられないんです。こんな私が、神子だなんて…」


 焔夜は葵の髪にそっと触れ、微笑んだ。


「汝は神子以上の存在だ。私の…永遠の花嫁だ」