葵が真の神子として認められた朝、歓喜に満ちていた。桜の木々が春の風に揺れ、神殿の柱には色とりどりの布が飾られ、村人たちが集まって新しい神子を祝った。
葵は純白の神子装束に身を包み、桜の簪を髪に挿し、巫女長・紫苑の導きで神殿の中央に立った。
彼女の姿は、かつての粗末な着物をまとった少女とは別人のように輝いていた。
紫苑が厳かに宣言した。
「藤井葵、汝は桜ノ神の審判を受け、真の神子として選ばれた。汝の祈りは、桜ノ国に繁栄をもたらすだろう」
群衆から歓声が上がり、葵は胸を押さえた。自分なんかがこんな場所に立つなんて、夢のようだった。
だが、焔夜の赤い瞳を思い出すと、彼女の心は温かい確信で満たされた。
「……焔夜様。私、頑張れたよ」



