「藤井美桜、汝が禁忌の魔術を使った証拠だ! 何と弁明する!?」
美桜は顔を真っ青にし、言い訳を叫んだ。
「ち、違う! あの子が…葵が私にやらせたのよ!」
だが、焔夜の声が冷たく響いた。
「偽りを重ねるな。汝の心は、嫉妬と悪意に穢れている。桜ノ神の審判を受けよ」
桜の木から光の鎖が放たれ、美桜を縛った。彼女は悲鳴を上げ、地面に膝をついた。
群衆から非難の声が上がり、華桜と貴代も顔を青ざめさせた。紫苑が厳しく宣言した。
「藤井美桜、汝は神子選定から永久追放される。さらに、禁忌を犯した罪で、藤井家は神殿と村から追放される」
葵は焔夜の腕の中で、涙を拭った。
「焔夜様…私は…」
焔夜は葵を強く抱きしめ、囁いた。
「汝はよくやった。試練は終わった。汝が私の神子だ」
聖域の光が収まり、桜の木が再び黄金に輝いた。葵の着物に桜の模様が浮かび、彼女が真の神子であることが明らかになった。
群衆がひざまずき、紫苑も敬意を込めて頭を下げた。
「葵、汝こそ桜ノ神の花嫁。国に繁栄を約束する者だ」



